技術士施工計画選択H30Ⅱ1 マスコンクリート
定義
厚さ80~100cm以上、下端が拘束された壁では厚さ50cm以上のコンクリート
留意点
温度ひび割れ
マスコンクリートは部材寸法が厚いため、コンクリートの表面部と内部に温度差が生じやすい。
水和熱に起因する温度応力
ひび割れの主要な要因のひとつ
「内部拘束ひび割れ」
部材厚が極めて大きい場合に発生しやすい
打設後、部材厚が大きいほど表面部と内部の温度差が大きくなる
中心部の膨張量が表面部の膨張量を上回り、表面部は中心部の膨張圧で引張力を受け表面にひび割れが発生する
ひび割れ発生時期は材齢の初期段階
表面部でのひび割れなので構造物の耐久性に及ぼす影響は比較的小さい
「外部拘束ひび割れ」
新設コンクリートが硬い岩盤や既設コンクリートで拘束されている場合に発生
打設後コンクリートは温度が降下するにつれて収縮を開始
その際に拘束されていると収縮が妨げられ、引張力を受けひび割れが発生
ひび割れの発生時期はコンクリート温度の低下が始まる時期(1~3週間程度)
構造物の耐久性に及ぼす影響が大きい
対策 製造時
水和熱の小さい中庸熱セメントを使用する
AE減水剤を使用し、単位水量を低減する
高炉スラグ粉末を使用し単位セメント量を低減する
運搬時
25℃以上の場合、90分以内に練り混ぜてから打ち込み完了できるプラントを選定する
打設時
型枠に散水し、水分の吸収を防ぐ
コールドジョイントが生じないように連続して打ち込む
養生時
散水養生を十分に行う
冷水を用いない
パイプクーリングを行い、内部温度の上昇を防ぐ
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