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ベルクソン哲学読解-時間と自由-(2章)

1.前章の問い

前回の記事を確認してきてからこの記事にあたってもらいたい


複合状態に示されるような内的多様性は(数を数える時に覚えるような)数的多様性とは異なったものなのだろうか。質的多様性に内在するイメージと数的多様性に内在するイメージを検証してみよう。

ここで、ん?となるワードは「数的多様性」と「質的多様性」であるが、難しい日本語を使っているだけで、述べている内容は簡単なことだ。数がいっぱいある時に感じる「色々なもの」と、精神状態にたくさんの気持ちが溢れている時の「色々なもの」に、果たして違いはあるのだろうか、ということである。ベルクソンは、この二者を違うものだと説明する。その理由を、綿密な彼の議論をたどりながら理解していこう。

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