ぜんぜん静かじゃねーじゃん

 入院をしている。入院生活で辛いのは、騒音である。5回目の入院でも気になる。症状よりも気になるくらい。
 最初の病棟はけたたましいところだった。人の出入りが激しい。常にアラームが鳴る。心電図が鳴る。患者が叫ぶ。という具合で、気になるどころではなかった。というか、ほかにも強いストレスがあり、音どころではなかった。だから、むりやり慣れってしまった。あるいは、状況をマゾヒスティックに解釈してむりやり適応して、やり過ごした。
 症状が落ち着き、病棟を移る。機械音もしない。人の出入りも少ない。最高! と思ったが、3日くらいで人の声がうるさいと感じた。以前と比べたら贅沢な悩みだが、音が声になったのは大きい。音はほとんど身体的な負荷(心臓に悪かった)だが、声は心理的な負荷(脳に悪い)となってのしかかる。
 不用意な話題、気に障る話し方、こっちに干渉してくるような独り言……。ひとつひとつに意味があり、その処理に疲れる。また、他の患者の雑談や電話の声によって、医師との面談が妨害されることもしばしば。声がまざって、本来聞くべき医師の話が半分くらいしか理解できない。というか、隣で話してんのわかるんだから、配慮しろよ、と思う。わざわざでかい声で話しやがって……。
 患者関連でイラっとしたことは日記に書いている。これで落ち着いているのか、ヒートアップしているのかは不明。医師に「刺激の少ない、落ち着ける環境」と言われるたびに、微妙な顔をしているし、「他よりはいいです」とお茶を濁している。よくも悪くも刺激が少ないが、ストレスは多い環境。退院が待ち遠しい。

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