都会のブックオフ

 最近、ブックオフに行ってがっかりすることが多い。下巻だけある。2巻だけ特装版みたいなアクシデントはブックオフ的だからいいのだが、最近、値付けが甘くなくなって、ブックオフ的ではない。ここでいうブックオフ的な値付けとは、本自体の市場価値ではなく、状態によって値段がつけられていることを指す。最近はボロボロの本でも100円均一に並ばない。均一棚から掘り出し物を探す楽しみがなくなった。ブックオフは今おもしろくない。背表紙が潰れている三島由紀夫『青の時代』(新潮文庫)に400円は出したくない。
 まだ郊外のブックオフなら、事情が異なるのだろう。郊外だと値付けが甘く、掘り出し物がたまに現れる。近所にブックオフがあればいいのだが、ないので、都会のブックオフに出かける。都会のブックオフは、品揃えは良いが楽しくない。新宿のブックオフで定価より高い本を見つける。これは、今まででは考えられないこと。
 昨日、ブックオフ戎橋店から歩いて、心斎橋店をはしごし、いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』、赤瀬川原平・藤森照信・南伸坊編『路上観察学入門』を購入。どちらも320円で普通の値付け。戎橋店でトイレに行きたくなったが、なく、周辺にもなく、仕方なく近くのサイゼリヤでジェラートを注文して、トイレを借りる。都会は便所すらまともにない。

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