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肌で音を聴く -アナログのススメ-


先日漢方カウンセリングを行っているときに、お客様との会話で気づきを得たことがありました。

その方はコロナ禍で家に閉じこもりがちでしたが、元々家で過ごすことが好きだったので特に憂鬱になることもなく、変わりなく過ごせているとのことでした。それでも動かないと気(エネルギー)が滞りやすくなるので、気をしっかり巡らせて欲しいと思い、『是非「キュン♡」とすることを見つけてください』とお伝えしたのです。いわゆる胸キュンです。

すると、「今のままでも特に不都合はないけれど、確かにここのところ”キュン♡”はないですね・・・。コロナ禍になる前までは20年以上も続けて毎年大好きなアーティストのライブに行ってキュンキュン♡していたのに、今はそれがなくなってしました」とお話してくださいました。その時私は「それなら動画でライブ映像を見たらいいんじゃないですか。」と安易なことを言ってしまったのですが、『ライブと動画は違います!ライブじゃないとキュンキュンしないです!』とおっしゃられたのです。

「!!! 確かにそうだな…」と私は思い、そこからライブと動画では何が違うのか??を考え始めました。その時ふと思い出したのが、先日TVでやっていた「皮膚は音を聴く」「皮膚は色を感じる」「皮膚は光を感じる」「皮膚は心をもっている」という何とも不思議な桜美林大学の山口創教授の研究結果のことでした。

『人は空気の振動を音として耳でとらえますが、人が耳から聞くことのできる空気振動の周波数(可聴域)は20ヘルツから20キロヘルツくらいまで。それより高い音を『超音波』、低い音を『超低周波音』と呼び、耳で聞くことのできない可聴域外の周波数を人は皮膚で知覚しているのです』(以下記事より抜粋)


音とは耳で聴くものであると思っていたのですが、耳でも聴こえない可聴域外の超音波や超低周波音を皮膚は振動として感知して聴いているというのです。音楽の場合、人は空気中を伝わってくる音波による音と、楽器などの振動が床を通じて体(肌)に直接伝わり、それが骨を通して聴覚系に伝播される音の2つを聞いていると言われているそうです。聴こえない音による振動がライブ感をより強く体感させてくれているのですね。

ちなみにCDや動画のようなデジタルサウンドではこの超音波がカットされているため、残念ながらライブ感を感じられないとのことです。

皮膚は温度も感知するので、ライブではアーティストや他のお客さんの熱量も感じますよね。皮膚がキュン♡を作っているといっても過言ではないですね。

皮膚ってすごい!


加えて、皮膚は触れられることで幸せホルモンであるオキシトシンを生成するという結果もあるそうです。ハグやスキンシップなど誰かと直接肌を触れあうこともよいですし、自分で自分をよしよしとさすったり、ぎゅっと抱きしめてあげるのも効果があるそうですよ。


きっと皮膚に限らずこういう絶妙な機能が私たちの体にはたくさん備わっており、それらが複雑に連携することで敏感な感覚を持つことができているのだと思います。これにより私たちが体の奥から湧き上がるような感動を得られていると思ったら、自分の体がさらに愛おしくなりますね。

見えなくても、聴こえなくても、私たちには感じる力が備わっています。そのセンサーを今の生活スタイルの中でも意識して稼働させられれば、新たな『キュン♡』との出会いはすぐそこです。


デジタル社会にいる今だからこそ、アナログの良さを見直してみませんか。




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