『PASADENA PARK』
ハイファイセットというと、綺麗なハーモニーで人気があったグループとして覚えている方も多いと思います。
正直私は、そんなに好きではありませんでした。
印象としては「お行儀はいいけどパンチがない」ってところですかね。
私が若い頃、彼等がレコード会社を移籍して1984年に発表したアルバム『PASADENA PARK』をレンタルレコード店で見て、何となく借りて聴いてみたら、これが凄く良かったのです。
(「ジャケ借り」ですな)
中でも一番気に入ったのは、一曲目の『水色のワゴン』でした。
当時の私が聴いていたフォークやロックやニューミュージックと比べて、ジャズのテイストで聴かせるオシャレなサウンドは新鮮でした。
それにこの曲、歌詞も素晴らしいのです。
夏の夕暮れ時。
東京で暮らしている若い夫婦(恋人?)が、休日に海までドライブした帰り道の高速で、水色のワゴン車を目撃します。
そのワゴン車に付いていたのは、二人の故郷のナンバープレートでした。
そこから色々なことを思い出し、後を追いかけてしまう二人。
夕暮れの高速でのちょっとした出来事から広がるドラマ、そして二人の車が高速を降りる出口が近づき、ワゴン車とはお別れとなります。
ただこれだけのことなのに、いいんですよね。
平和な車内の空気が伝わってくるような、素敵な曲なのです。
あまり古い曲には手を出さない私ですけど、久しぶりに聴いてやはりいいなと思った次第です。
ただ残念ながら、ハイファイセットはとうに解散していて、再結成の可能性もほぼない(お一人亡くなられている)というのが現状です。
気が向いたら聴いてみてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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