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ジジイが発掘 1

うちは古い団地の2DKで、北側の部屋は納戸として使っています。
引っ越してきたときはリーマンショックでコテンパンにやられていたわけで、すぐに生活に必要でないものは何でも納戸に放り込みました。
気持ちが荒んでいたから、納戸の中はごちゃごちゃのまま。
いずれここも引っ越すつもりなので、十年経った今でも変わっていません。
一人暮らしだから、南側の部屋とキッチンがあれば十分だし。

納戸へ入るのは、基本本を探しにいくとき。
次に読む本を掘り出すために入り、前の本を収めて帰るのです。
時間に余裕があるときには、段ボール箱をかき回して中身をチェックします。
ときには、本人も忘れていたような古いものが発掘されたりもします。

今回掘り出してきたのは、『世界の傑作機』。
航空ファンという雑誌の増刊扱いで始まったシリーズで、今でも発行されています。
過去の航空機の一機種の情報を纏めたムックで、最初はフライデーみたいな中綴じの薄い本だったのが、今はページ数が増えて充実した本になっています。
最初の号の「隼」もどこかにあるはずですが、今回はフォッケウルフを掘り出しました。

写真で紹介します。
まず表紙と表4。

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手作り感満載で、同人誌並なのが笑えます。
発行は1973年、今から47年前です。
定価300円というのが、物価の違いを物語っていますね。

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モノクロの写真がメインとなっていて、短いキャプションが付きます。
こういう写真を集めるのだって、当時は大変だったと思います。

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カラーページも少しだけあって、こんな感じ。

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カラーリングに関する記事が豊富なのは、やはりモデラー向けでしょうか。

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解説の記事もあります、活字が岩波文庫みたいで古臭いです。

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奥付がこちら、記事を書かれた方々はお元気なのでしょうか。

私は小中とプラモ少年で、当時のプラモデルといえば陸海空。
仲間たちと競うように作っていまして、プラモのことと兵器や武器のことを日常的に話していたわけで。
理論武装するために「ホビージャパン」のような模型雑誌と、「世界の傑作機」や「丸」のような資料もよく買っていました。
中でも「世界の傑作機」はよく買いました、書店にバックナンバーが並んでいて安かったし、飛行機のプラモもよく作っていたからです。
お小遣いがあるときにこういう本を買ってきて、うちでコタツに当たりながら読むのは楽しかったです。

当時の私はこういう資料を生かした模型製作が出来ていたわけではないですけど、実機のことを知ることでキットのディテールの意味が分かるので、ちょっとした改造には役に立ちました。
昔は本当に情報が少なかったから、こういう本は本当に貴重でした。

今となってはネットでいくらでも情報収集できるから、こんな本に価値はないと思います。
でも当時の私からすれば、これだけだったのですから思い入れはあります。
もうプラモデルを作ることもないでしょう、こういった本を読みながら年老いていくのが残りの人生なのだと思っています。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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