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創業者江副さんの遺産【連載12】さて44歳リクルートを辞めて

「はじめに言葉があった。」
僕はどちらかというと古神道派で空海さんファンなので、キリスト教徒ではないのですが、「はじめに言葉があった」をしみじみと噛み締めるに至ったのは、リクルートに入ってからです。江副浩正さん達、創業のタイミングで残された言葉達が、その人たちが居なくなっても力強く風土として根づきリクルートという会社の土台となって来たと考えています。

「リクルートに、稲盛さんの京セラのように啓発書や社内思想本的なものはあるのか」と社外の方から聞かれることが有りますが、正直ありません。江副さんの著作や周辺の人たちが書いた本はありますが、特に読むことも強くは勧められません。

それでも、江副ismの残存と風土への反映は、これまでのリクルートの強さ(個人的にはだいぶ危うい面が見えて来てもいますが)の根幹だと思っています。

江副さんの天才性はよく言われるマッチングの「ビジネスモデル」にあるのではなく「言葉」と「風土」の残し方にあるのではないか。

シンプルには下記がDNAとしてリクルートの組織文化を支えていると内部からは思いました。

〈言葉〉
『自ら機会を創り出し、その機会によって自らを変えよ。』
 → なんどもいろんな所で先輩から後輩に伝えられる言葉で、耳にタコができていますが、噛んでも噛んでも味がでる江副さんの言葉です。積極的、能動的、自責の働き方を、自己成長の為にも全員に求め続けるという、現場にも経営にも納得度の高いものして浸透しきっています。

〈風土〉
『助け合いと切磋琢磨の風土』
360度の従業員同士アンケート、良い仕事の共有会(ベスプラ、トップガン)、頻度の高い表彰制度(ネットワークビジネス並み)、偉い人も役職ではなくニックネームやさん付けで呼ぶなどで、切磋琢磨しながら個に閉じないフラットな「助け合いの風土」が一定保たれています。それは、江副さん達が50年以上前に設計した「心理学的経営」が土台の仕組みとして残っているからだと分析しています。

「さて、リクルートを辞めて」はこちらで終わりとなります。お読み頂いてありがとうございます。

リクルートで得た知見や体験を詰め込んで、「発酵食堂カモシカ」の経営と「カモシカのコンサル」での様々な企業様のビジネスコンサルティングサービスを行ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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