見出し画像

【ドラマを執筆する手順⑤】大事なポイントを詳細に書く

いざドラマを書きはじめると、「どのような文章を書けば質の高いドラマになるだろうか?」と、悩んでしまった方も多いのではないでしょうか。
 
魅力的な文章を書くためには練習も必要ですが、日ごろ文章に全く触れない方の場合、ある「たった一つのこと」を意識するだけで劇的に内容を改善することができます。
 
それが「大事なポイントを詳細に書く」意識を持つこと。
 
この意識を持つことが大切な理由とコツを、本手順で紹介します↓ドラマの質が格段に向上すると思いますよ!

1. 誰に向けて書くのか?

「大事なポイントを詳細に書く」ことで、文章の質は驚くほど向上します。情報量が増えるので、当然といえば当然かもしれません。
 
しかし、詳しく書くことは意外に難しいもの。そんなときは、「自分以外の『誰』がドラマを読む可能性があるのか?」を考えてみると良いでしょう。
 
とくに、アークカイブに記されるドラマは長期的に保管されるものです。たとえば50年後、あなたのことを全く知らない「誰か」があなたのドラマを見つけたとき、その内容は十分に伝わるでしょうか?
 
このように、家族や友人や仕事仲間でもない「第三者」に伝わる文章を執筆することが、ドラマを詳細に書き上げることにつながります。

なお、アークカイブでは「自分の子供や孫、あるいは近所の子供が大きくなったときのことを想像し、彼ら/彼女らに読まれることを前提に執筆する」ことをオススメしています。
(例として子供・孫・近所の子供を挙げましたが、あなたのことを知らない数十年後の若者を具体的にイメージできていればOKです!)
 
それでは本記事の例をもとに、「第三者」に伝わる文章のイメージを見ていきましょう。

まずは、ドラマの【第一幕 前半】が簡潔に執筆された具体例を紹介します↓


<具体例> 
【簡潔すぎる説明の文章例】

クリックで拡大


「5W1H」が漏れなく記載されており、「第三者」の読者にとって理解できる簡潔な文章にまとまっています。
 
とはいえ、読み進める中で、「学校のプログラムの目的は?」や「なぜホームステイすることになったのか?」かなど、疑問がいくつか湧いてきます。ホームステイ先のイメージもつかめません。
 
そこで、【手順③-3.2.】で深掘りした「5W1H」の内容を使い、一歩詳しく書いてみます↓


<具体例>
【詳しい説明の文章例】

クリックで拡大


どうでしょうか?
 
細部が詳しく描かれたことで一気に分かりやすい文章になりました。読み進める中で先ほどの読者の疑問もしっかり解決しています。
 
「第三者」に伝わる文章にするためには、たくさんの角度から疑問を投げかけ、詳しく文章にすることが大切になります。

2. ドラマの描写をイメージできるか?

ポイント1つ目の「自分以外の『誰』がドラマを読む可能性があるのか?」の問いかけは、ドラマを詳しく書く上でもっとも重要な視点の一つでした。
 
2つ目のポイントとして、「ドラマの描写をリアルにイメージできるか?」を考えながら執筆する視点も大切になります。読者にとってイメージしやすい内容ほど共感を呼びます。
 
なお、描写の内容は「自分の外側(情景・登場人物など)」と「自分の内側(思い・考え・感情など)」の二種類あります。それぞれのポイントを簡単に抑えておきましょう。

2.1.客観的な視点による情景描写

まず、1つ目の「自分の外側(情景・登場人物など)」の描写についてですが、一言でいえば、
 
ドラマで説明している部分について、まるで当時の自分をビデオカメラで見ているかのように、出来事を客観視しながら思い返し、それを分かりやすく書き上げることになります。
 
この「客観的」な視点を持った説明により、読者にとって情景や人物の様子が一気にイメージしやすくなります。具体例を見てましょう↓


<具体例>
【情景描写の文章例】

クリックで拡大


当時の自分の行動や見た情景を、誰もが想像しやすい言葉を使い、詳しく丁寧に表現します。これにより、ドラマ読者も頭の中で情景をイメージすることが出来ます。

2.2. 主観的な視点による内面描写

また、2つ目の「自分の内側(思い・考え・感情など)」の描写とは、
 
ドラマで説明している部分について、当時の自分の思い・感情・考え・五感などを思い返し、それらを描写することになります。
 
この「主観的」な視点を取り込んだ説明により、まるで読者がドラマの内容を疑似体験しているかのような、そんな没入感ある文章に仕上がります。ここで具体例を見てみましょう↓


<具体例>
【内面描写の文章例】
 

クリックで拡大


当時感じた五感や感情を思い出しながら詳細に執筆しています。これにより、読者がまるで疑似体験しているかのような文章に近づきます。

2.3.描写を使いこなす

ここまで「自分の外側(情景描写)」と「自分の内側(内面描写)」の描写について紹介してきました。
 
便宜上、「自分の外側」と「自分の内側」で分けてきましたが、描写によっては両者が混ざり合うこともあります。
 
これからドラマをいくつも執筆する中で、自分ならではの「味」が出せる部分にもなります。ドラマ文章に意識的に取り入れてみてください。それでは具体例を見てみましょう↓


<具体例>
【情景描写と内面描写が混ざり合った文章の例】

クリックで拡大


読者はバケツの中の熱いお湯を浴びる「私」の情景を想像することで、当時の「私」が感じた感情や思いを読み取ることができます。文章に深みが出てきた感覚すらあります。


以上、「大事なポイントを詳細に書く」コツを

  • 自分以外の「誰」がドラマを読む可能性があるのか?

  • ドラマの描写をイメージできるか?

という二つの視点から紹介しました! 

とくに、状況説明が重要な箇所や、ドラマの盛り上がりに欠かせない箇所で、本記事の内容を意識的に取り入れてみてください。読者の惹きつける文章になると思います。
 
もちろん、文章を書くためには練習も必要なため、最初は思うようにいかないかもしれません。
 
ですが、心配はいりません。完璧を求めず、70%ほどの仕上がりで完成を目指していく心構えがちょうど良いでしょう。そして、これからドラマの執筆を重ねていきながら、自伝の内容を積み上げていきます。
 
ふと気がつけば、文章の執筆能力も向上しているでしょう。なお、その頃には自分や周囲のことを更によく理解できるようになっており、今とは全く別の視点で人生を楽しんでいるかもしれません。
 
以上、【執筆手順①〜⑤】の記事はこれにて終了となります。執筆者の思いがドラマとして長期的に保管されることを願いつつ、アークカイブは読者のみなさまの執筆を心より応援しております!
 
<※補足>最後になりますが、ドラマ文章を書き上げた方は、一度読み直すことも意識してみてください。)

<補足説明> 【手順①〜⑤】のイメージ図

【手順①〜⑤】を通して紹介してきたドラマ内容のイメージ図を載せておきます↓
ドラマの執筆中に混乱したときは、図を見ながら立ち返って整理してみてください!

クリックで拡大

募金していただいたお金は、自伝を未来に届けるために使わせていただきます。この度は心よりお礼申し上げます。