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G.W.の永青文庫と椿山荘日本庭園@江戸川橋

今年のゴールデンウィーク、唯一のお出かけスポットがとっても良かったので記録しておきます。この季節みなさんにもおすすめしたいアート散歩半日コースです!

この日はたまたま直前に予約の取れた椿山荘東京のロビーラウンジ「ル・ダルジャン」でイブニングハイティーを頂くのが最大の目的。その前にどこか行けるといいねーくらいのノリで午後3時ごろ出発しました。午後6時の予約時間までサクッと近所を散策してから椿山荘の庭園を歩き、お腹をすかせてハイティーに臨むというプラン。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

まずは、椿山荘の最寄駅、東京メトロ 有楽町線「江戸川橋駅」から歩いて椿山荘の入り口を通り過ぎ、すぐ先に見える「東京カテドラル聖マリア大聖堂」へ。

丹下健三さんの設計で建築好きな方はよくご存知の大聖堂。行事やお祈りのない時なら静粛に聖堂内を見学することができます。堂内は撮影禁止。椅子に腰掛けて祭壇をじっくり拝見しました。

モダンで無駄のない建築素材の質感とその構成美で荘厳さを表現している、けれど冷たさを感じることはなく大きく包まれるような聖堂内。十字架とその背後の意匠や祭壇も素晴らしいのですが、わたし的には聖遺物の展示にテンションUP!

聖遺物ってご存知でしょうか?キリスト教の聖人たちの遺品をはじめ、究極なのはイエスが磔にされた十字架の木片、そういった由緒ある聖なる遺物を宝石や金で装飾した容器に納めたものです。拝見できる機会も頻繁にあるわけではないので、ふらっと訪れたのに貴重な機会になりました。

いにしえのキリスト教徒たちにとって聖遺物を拝見することは長くきびしい巡礼地への旅のごほうびのひとつ。そのため、さまざまな教会で我が教会の人気を高めようと聖遺物の獲得に躍起になったそうです。

そしてナント!ミケランジェロの《ピエタ》の複製があるのですね!
バチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂では遠目からしか見られなくてガッカリした思い出が。こんな身近な場所に原寸大で見られる場所があったとは。率直な感想としては「あ、けっこう大きいんだね」と思いました。イエスを膝にのせた聖母マリアはとても大柄です。現実的な比率としてはおかしいわけですが、彫像としての安定性と機能、設置場所を考えるとこうなるのでしょう。

気持ちが落ち着いたところで退出し、雲一つないいいお天気に翼を広げたようなこのアングルで外観をパシャ。ん〜来てよかった!

永青文庫

続いて、入館時間ギリギリで間に合わなくてもいいか、と永青文庫へ。
なんとか間に合いました。

早春展「揃い踏み 細川の名刀たち ―永青文庫の国宝登場―」へ行ってきました。

約8年ぶりに国宝の刀、全4口が勢揃いするということで気になっていた展覧会です。
残念ながら、こちらも撮影禁止ですがクラシカルな建物とともに展示品も素敵でした。

つばの意匠の細やかさや、凝り方には毎回感嘆してしまうのですが、今回「刃文」というのも一つのみどころだと知りました。今まであまり興味が沸かなかったけれど、よ〜く見るとなるほど美しいじゃないですか、となりました。しかし、刃物は「うーん。これで何人の血が・・・」とか考えてしまう。いやいや怖いから考えない。

永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ)(1883 ~ 1970)は、禅僧の書画や近代絵画、東洋美術のみならず、稀代の刀剣コレクターとしても知られます。護立が刀の世界に本格的に足を踏み入れたのは、学習院中等学科在学中、肋膜炎にかかり休学していた十代の頃。細川侯爵家に「御刀掛(おかたながかり)」として出入りしていた肥後金工師の末裔・西垣四郎作(にしがきしろさく)や、刀剣愛好家でもあった細川家の家政所職員らとともに開いた研究会で刀剣の目利きを学び、審美眼を磨いていきました。

本展では国宝全4口をはじめ、「刀 銘 濃州関住兼定作(歌仙兼定)」など護立の眼によって集められた名刀を蒐集エピソードとともに展覧。あわせて、肥後金工の鐔など精緻な刀装具の世界も紹介します。

永青文庫 展覧会情報ページより

閉館までの30分ほどで観たので次回はしっかり時間を設定して再訪してみたいと思います。

肥後細川庭園

永青文庫の出口をでると、すぐ目の前に庭園へと降りていく階段があります。ここから「肥後細川庭園」を巡ることができます。

庭園の入り口
永青文庫から階段を降りて庭園を巡るとここがゴールです

胸突坂

肥後細川庭園の入り口から左方向へ進むと胸突坂
この坂を登り切ると、先ほどの永青文庫の入り口につながっています。

なるほど。まあまあな急で長い坂でした。

椿山荘東京の庭園とイブニングハイティー

いよいよ、椿山荘東京の庭園へ。
見どころはいろいろありましたが、記事が長くなってきましたので簡単に。


伊藤若冲の下絵による五百羅漢のうち約20体がここ椿山荘東京に。京都伏見の石峰寺から大正14年頃移されたそうです。

すっかり陽が落ちる時間には「東京雲海&千の光ライトアップ」の中で幻想的な姿が現れそうです。

茂みの中で静かに語りかけるような姿に、『もののけ姫』に出てくる“こだま”を思い出しました。

その他にも庭園内には七福神が点在していたり、東京大空襲も生き抜いた御神木の雄々しい姿があったりと楽しめます。

これからの季節はライトアップされた幻想的な庭園&ラウンジで一杯なんて大人な遊びもできますね。とにかく落ち着いた雰囲気いいな。

ホテル内に戻ると、1階フロアには田村能里子さんの作品がたくさん。ソファや壁紙、フロアランプと調和して心地よい空間を生み出しています。

いよいよイブニングハイティーです。歩き回ってちょうどいい感じにお腹がすいてきました。

シャンパンに3段トレーのセイボリー、食べごたえあるローストビーフ、最後にデザートとお茶がいただけます。

甘いものは最後のデザートだけで、夕食にもなるハイティー。男性にも満足できるボリュームで、ローストビーフの厚みはもはやステーキ!柔らかくて美味しかったです。

帰路は神田川沿いの江戸川公園を歩いて駅まで。
アートを堪能し、庭園を散策、お腹も満たされて午後からの数時間なのにとても充実して、プチ旅の気分で過ごせました。




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