千葉ロッテマリーンズ2022 先発投手事情を考える
3月25日の開幕まで、あと10日。
どんどん春が近づくように、プロ野球の季節がやって来ます。
オープン戦も中盤から後半へ。
今までのオープン戦の過程から、
千葉ロッテマリーンズの2022年開幕時点の先発投手事情を考えた行きたいと思います。
①開幕ローテ確定
・石川歩投手
今年の開幕投手を任されたのは石川投手。
オープン戦では、
3/1オリックス戦 3回8安打1三振2失点
3/8日ハム戦 4回4安打1四球無失点
※この日の日ハム打線は若手中心
という成績を残しています。
良い点は四球が少ないこと。
(今年の千葉ロッテ投手陣は全体的に四球が少ないです)
気になる点は、ピシッと抑えきれていないこと。
まあ、ベテランですので本番にどんなピッチングをしてくれるか、が大事だと思います。
支配的な投球をするタイプではないだけに、失点が許されない対エース戦では不安ですが、長いイニングを安定的に投げる力はある投手。
対戦投手が厳しく、苦しい試合が続くと思いますが、勝ちだけではなく内容のあるピッチングを期待したいです。
追記)
今日3/16カープ戦で、素晴らしいピッチングを見せてくれました。
6.2回5安打1四球8三振1失点
本番前最後の登板で、しっかりと「今年の石川投手」を見せてくれました。
外からの出し入れ、カーブの使い方、
松川選手との呼吸も合っていて、
このピッチングを開幕戦でも期待したいです。
・佐々木朗希投手
令和の怪物。
今年は160キロを超えてくると思っていましたが、
練習試合、オープン戦で簡単に超えてきました。
3/5ホークス戦では、
最速タイの163キロを記録して、
5回2安打1四球9三振無失点
圧倒的な結果を残しました。
練習試合を含めた成績は恐ろしく、
10回4安打1四球17三振無失点
本当に凄い。
今年、1年間ローテーションを守った時、
どれほどの数字を残すのか。
とにかく怪我で離脱しないことを祈ります。
(中6日で回すという発言もありますが、何回かはローテーションを飛ばすこともあるでしょう)
飛躍のシーズンとなるように、
怪物伝説の本当の意味での始まりとなるシーズンへ。
・小島和哉投手
今年から背番号14を背負う小島投手。
小宮山投手→大谷投手と早稲田大学卒の投手がつけていた14番。
ロッテの左腕エースとなれるように、
昨年同様二桁勝利を目指すシーズンとなります。
オープン戦では、
3/5ホークス戦 5回3安打無死球1三振無失点
3/12西武戦 5回5安打1HR1四球4三振3失点
2/27の西武戦で高木選手から2発、
12日の西武戦でも不用意な1発を浴びているのが気になります。
攻めている結果なのでしょうが、簡単に行き過ぎている投球に見えました。
昨年後半から「強気に攻める」という強い気持ちを大切にマウンドに立つ小島投手。
その気持ちはすごく大事ですが、
「強気」と「力任せ」は違います。
もう一段上のステージに上がるために、
「強気に繊細に」攻めていってもらいたいです。
ここまでが確定している投手。
今後のオープン戦の登板予定を考えると、
3/16石川投手
3/18佐々木朗希投手
3/19小島投手
となった場合は、
3/25開幕戦石川投手
3/26佐々木朗希投手
3/27小島投手
と勝ちに行く開幕3連戦となります。
※佐々木朗希投手が中10日空けて、29日のホーム開幕戦という可能性もあると思いますが。
②開幕ローテ有力
・美馬学投手
ベテランの域にある美馬投手。
オープン戦でどんな成績残そうが、よっぽどのことがない限り開幕ローテには入るでしょう。
オープン戦では、
3/2オリックス戦 3回2安打1四球2三振1失点
3/9日ハム戦 5回5安打2HR1四球5三振6失点
と決して良くありません。
しかし、打たれた日ハム戦を見ても、
3回までは0点に抑えています。
4回は振り逃げからの近藤選手の2ランホームラン、5回は自身の悪送球やワイルドピッチが重なって万波選手の3ランホームラン。
崩れ出したら止まらないのは昨年からですが、
防げた失点でもある。と思います。
なので、そこまで心配はしていません。
美馬投手の持ち味は「粘り」だと思います。
浅い回に3点くらい取られても、そこから粘って試合を作る。
カウントを悪くしても、そこから粘って打ち取る。
今年は、どれだけ粘れるか。
開幕までの残りの登板は2軍戦になるかと思いますが、シーズンで結果を出すこと。
これに尽きると思います。
開幕数試合で悪ければローテーションを外れる可能性もあります。しっかりと初登板で結果を出して乗っていきたい所です。
・二木康太投手
昨年の開幕投手。ロッテの18番。
元ロッテのエース・清水直行さんが二木投手を語ってくれています。
大変興味深いので、是非ご覧になってください。
佐々木朗希投手、種市投手、岩下投手、
有望な高卒右腕投手が台頭している千葉ロッテマリーンズですが、元を辿れば「二木康太プロジェクト」が原点なのです。
鹿児島情報高校という決して強くはない高校から、ドラフト6位で入団した二木投手。
入団会見の時は本当に華奢で、「この子大丈夫か?」と思ったほど。
そんな彼が、チームの方針と、本人の努力で少しずつ力をつけていき、
千葉ロッテマリーンズの18番を背負い、昨年は開幕投手を務めました。
ここまでは良かった。
しかし、昨年の結果はファンの期待を裏切るものに。
両リーグワーストの被本塁打。
5勝7敗防御率4.38
それでも、二木投手が勝つところが見たい。
オープン戦でも、
3/11西武戦 5.1回6安打1HR2四球4三振1失点
と、良いのか悪いのか、
実に二木投手らしい成績でした。
今年はフォームを少し変えて、昨年より真っ直ぐも走っています(そんな気がする)
何より低めの制球力、低めの出し入れ。
徹底して、突き詰めて欲しいです。
きっと今年も私たちをイライラさせるかもしれません。
それでも、二木投手が二桁勝利を挙げたら、
ロッテは大きく優勝に近づくと思います。
ここまでが開幕ローテーション有力投手。
2人とも結果を出しきれていないので不安ですが、
イニングを喰えるという意味ではローテにいて欲しい投手です。
③開幕ローテ争い中
・佐藤奨真投手
今年の練習試合、オープン戦にかけて1番評価を上げた投手です。
オープン戦では、
3/13西武戦 3回3安打2三振1四球無失点
松川選手の盗塁刺やファインプレーもありましたが、1軍選手相手にしっかりと投げて結果を出しました。
その前は、教育リーグでも2回を無失点と抑えています。
彼の特徴は緩急とコントロール。
特にスローカーブとチェンジアップは絶品です。
オープン戦を見ていても、佐々木朗希投手と並ぶくらい面白い投手です。
超絶技巧派左腕としてローテーションのアクセントになりうる存在だと思います。
まだ育成契約なので、支配下登録されることが大前提ですが、その可能性は大いにあると思います。
・森遼太郎投手
オフに支配下登録を勝ち取った森投手。
昨年のイースタン最多勝投手です。
オープン戦で初めて1軍でマリンのマウンドに上がりました。
3/15カープ戦 5.2回6安打2四球3三振5失点
結果だけ見ると失点が目につきますが、
6回の失点は成田投手が打たれたものもあります。
5回までは初回に失った2失点だけで、
十分に合格点なピッチングだったと思います。
非常にオーソドックスな投手で、
これと言った強みがあるわけではありませんが、
ボールの精度、特にスライダーとフォークの精度は高いものがあります。
ここに真っ直ぐがもう少し強くなったら、ローテーションの一角として回っていけると思います。
開幕ローテは他の投手との兼ね合いもあるでしょうが、今年中のプロ入り初登板、ローテの谷間での先発は間違いなくあるでしょう。
・本前郁也投手
昨年のチーム初勝利は本前投手でした。
今年のオープン戦での出番は少ないですが、
3/4ホークス戦 3回3安打1HR1四球1失点
教育リーグでも、
3/10巨人戦 4回2安打4三振1失点
と投げています。
少し開幕ローテ争いからは後退しているかもしれませんが、
佐藤奨真投手か本前投手のどちらかが、ロングリリーフでブルペン待機となる可能性もある、
と思っています。
※個人的には、佐藤奨真投手が先発、本前投手がロングリリーフかな、と。
力強い直球で小気味良いピッチングが持ち味だけに、以前ロッテに在籍した陳冠宇(チェン・グァンユン)投手のような活躍にも期待したいです。
ここまでが開幕ローテ争い。
④調整組
無理に開幕に合わせなくても、開幕後にローテーションに入ってきそうなのは、
・エンニー・ロメロ投手
昨年4試合の先発ながら、間違いなくチームの雰囲気を変えたロメロ投手。
コンディション不良で帰国して、そのままチーム復帰はなされませんでしたが、今年は開幕前からチームに合流。
ウィンターリーグでも投げていたようですし、
先日の西武戦でも、
3/13西武戦 3回5安打2HR1四球3三振4失点
と結果は残せませんでしたが、投げることはできました。
ロメロ投手らしい力強い真っ直ぐもあったので、あとは調整。
コンディションに気をつけながら投げて欲しい投手だけに、急ぐことなく、
開幕は2軍で2〜3試合ほど投げて、暖かくなってきてから本格的にチームの力になってもらえたらと思います。
ロメロ投手がローテーションにいるといないのでは大違いなので、
しっかりとした調整、体調管理のうえ1軍に合流できるのが理想です。
・河村説人投手
昨年ルーキーながら4勝をマークし、
終盤のローテーションを支えた河村投手。
今年は1年間先発ローテーションで回りたいところでしたが、キャンプでの体調不良で出遅れてしまいました。
それでも、先日教育リーグで、
3/13日ハム戦 5回2安打2三振1失点
としっかりと調整を進めています。
開幕ローテーションからは漏れてしまうでしょうが、2軍で結果を残せば、1軍の先発陣の結果如何ですが、早い時期での入れ替えはあると思います。
ゲームメイク能力に長けている河村投手。
今年はフィジカル面でも成長した所を見せてくれたらと思います。
・岩下大輝投手
昨年8勝をあげて、今年は二桁勝利を狙いたい岩下投手ですが、キャンプからのコンディション不良でなかなか調整が上手くいっていません。
最後に投げたのも、
3/2オリックス戦 2回4安打2四球無失点
と初登板ながら、不安な結果に。
とにかくコンディションが良くなるように、
無理せずに調整を進めて欲しいです。
先発でも、中継ぎでも、力強いボールを投げられる岩下投手は貴重な存在です。
焦らず、しっかりと調子を上げてもらいたいです。
先に1軍に上がるとしたら、ロメロ投手、河村投手だと思うので、時間をかけてゆっくりと。
⑤リハビリ組
・西野勇士投手
トミージョン手術から帰ってきた西野投手。
オープン戦でも先発こそありませんが、
3/1オリックス戦 1回1安打無失点
3/6ホークス戦 1回1四球無失点
3/12西武戦 1回2安打1三振無失点
と間隔を空けながらですが、しっかりと投げられています。
井口監督も、中継ぎスタートで様子を見て、というプランを発言しています。
特に唐川投手、佐々木千隼投手が出遅れていて結構悲惨なブルペン陣だけに、西野投手の力がまずはブルペンで必要になってくるかと思います。
・種市篤暉投手
西野投手と同じくトミージョン手術からの復活を目指す種市投手。
まだ試合での登板はありませんが、ブルペンでは投げています。
とにかく焦らずに。
間隔を空けてゆっくりと調整して、
夏頃から終盤にかけて1軍のマウンドに立てれば。
今年は1軍で元気な姿を見せられれば十分です。
ロッテのエース候補。
焦らず確実に復帰して欲しいと思います。
(清水直行さんが語る種市投手の話も必見です)
⑥2軍組
最後に2軍の先発事情を。
今年は、1軍ローテーションに入れない投手の調整の場としての割合が多くなると思います。
上記紹介した選手の中から3〜4名は2軍調整となるかもしれません。
そんな状況でも、今年優先的に先発起用したいのは、
・古谷拓郎投手
・中森俊介投手
の高卒右腕の2人になると思います。
古谷投手は4年目、中森投手は2年目の投手です。
先日の教育リーグでも、それぞれ5回を投げています。
若手から中堅で固まっている先発ローテーション候補ですが、来年以降この2人の突き上げも必要になってきます。
特に古谷投手は去年1年棒に振ったので、今年にかける意気込みは強いと思います。
古谷投手には100イニング、中森投手には60イニングくらい投げて欲しいです。
・土肥星也投手
・中村稔弥投手
中堅に差し掛かってきた左腕2人も2軍調整。
なかなかアピールが難しい立場になりましたが、チームが危機的状況の時に、彼らの力は必要になってくると思います。
そのためにいつ呼ばれても良いように調整を。
・秋山正雲投手
・田中楓基投手
高卒1年目のルーキー投手なので、とにかく今年は身体作り。
昨年の映像を見てですが、秋山投手は比較的早く投げる機会があるかな、と思います。
田中投手は、森投手が道を作ってくれたので、その流れに乗れるように。
今年のロッテの先発投手陣は以上のような感じです。
数と厚さは数年では1番だと思います。
あとはどのように使っていくか。
数は多いので、佐々木朗希投手や他の投手がローテを外しても代わりに先発できる投手はいます。
何となくですが、
前半戦は、
ローテーション投手も間隔を空けて起用して、空いた所をしっかりと他の投手で埋めていく。
後半戦は、
ローテーションを固めて勝負。
という流れになるかと思います。
それができるくらいの陣容になりました。
絶対的な能力のある投手は佐々木朗希投手だけですが、レベルは間違いなく上がっています。
どのような運用になるのか、
中堅若手からは誰がブレイクスルーするのか。
本当に楽しみです。
次回は、ブルペン事情を書く予定です。
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