献血ベニロンI- 静注用 IF

効能又は効果

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症における神経障害の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の神経障害の治療に用いる場合は、

ステロイド剤による適切な治療(原則 として、副腎皮質ステロイドをプレドニゾロン換算で40mg/日を4週間以上投与)によっても十分な効果の得ら
れない患者を対象とすること。

(解説)


好 酸 球 性 多 発 血 管 炎 性 肉 芽 腫 症 に 対 し て は ス テ ロ イ ド 剤 が 第 一 選 択 薬 で あ る 。本 剤 は ス テ ロ イ ド 剤 に よ る 適 切 な 治 療 ( 原 則 と し て 、副 腎 皮 質 ス テ ロ イ ド を プ レ ド ニ ゾ ロ ン 換 算 で 4 0 m g / 日 を 4 週 間 以 上 投 与 ) が 奏 効 し な い 場 合に使用すること。

用法及び用量
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症における神経障害の改善
通常、1日にスルホ化人免疫グロブリンG400mg(8mL)/kg体重を5日間点滴静注する。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の神経障害の治療において、本剤投与後4週間は再投与を行わないこと。

 (4週間以内に再投与した場合の有効性及び安全性は検討されていない)

(解説) 

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の臨床試験において、4週間以内の短期間で本剤を再投与した実績はなく、本 剤 投 与 後 4 週 間 以 内 の 再 投 与 に 関 す る 有 効 性 及 び 安 全 性 は 確 認 さ れ て い な い 。

本 剤 投 与 後 4 週 間 は 再 投 与 を 行わないこと。


臨床成績

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症:
ステロイド抵抗性(ステロイド剤を寛解導入療法としてプレドニゾロン換算で40mg/日以上を4週間以上投与、 漸減後に維持療法としてプレドニゾロン換算で5~20mg/日の一定用量を4週間以上投与)で、徒手筋力検 査(MMT)スコア合計が130以下、かつMMTスコアが3以下となる神経障害箇所を有する患者23例に本剤 400mg/kg/日を5日間投与した。

その結果、本剤投与開始2週間後のMMTスコア合計変化量が本剤投与前 に比し有意に改善した(表1)。

なお、第1期でのMMTスコア合計変化量は本剤群でプラセボ群の変化量を上 回った(本試験では、本剤のプラセボに対する優越性を検証するための検出力は考慮されていない)(表2)14)。

表1 本剤投与開始2週間後のMMTスコア合計の変化量

スクリーンショット 2022-02-26 23.00.26

表2 第1期の本剤及びプラセボ投与開始2週間後のベースラインからのMMTスコア合計変化量

スクリーンショット 2022-02-26 23.00.48

平均値±標準偏差 本試験では、3つの投与期を設定し、A、B及びC群の各投与期における投与薬剤は以下のとおり設定した。 A群:第1期 本剤、第2期 プラセボ、第3期 プラセボ
B群:第1期 プラセボ、第2期 本剤、第3期 プラセボ
C群:第1期 プラセボ、第2期 プラセボ、第3期 本剤

[MMTスコアの評価基準]
MMTスコア合計
上肢9箇所及び下肢6箇所の左右、計30箇所のスコアを累計したもの。
母指中手指節関節伸展、指外転、指内転の3項目はスコア4が最高点、
それ以 外はスコア5が最高点(最大144となる)


作用機序
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症のメカニズムおよび病態は十分解明されていないが、本剤の作用機序 は次のように考えられている。

1抗炎症作用
2抗原抗体反応に基づく中和作用
3ステロイド感受性亢進作用
4血流改善作用

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