栃木県議会の選挙制度を変えてみる
現在の大選挙区制・中選挙区制・小選挙区制から小選挙区比例代表連用制に変更してみる。小選挙区比例代表連用制とは基本的に比例代表制により議席を決定するが、一部の当選者を小選挙区制により決定する仕組みのこと。(だったはず)
メリット:
●大選挙区制・中選挙区制によく見られる同政党間の候補者の共倒れを防ぐ
●小選挙区制を一部残すことにより、無所属の候補者にも配慮
●小選挙区という最大政党に有利かつ、支持率以上の議席を得ることを防ぐ
●小選挙区制に比して死票が少ない(無駄になる票が少ないので少数意見もしっかり反映できる)
●基本的に比例で選出することになるので、支持率に応じた議席を獲得できる
現行の勢力図
定数:50
※数の書いてない会派の人数は1人
☆県政与党:39(78%)
●とちぎ自民党:31
●公明党栃木県議会議員会:3
●えがおの会
●新鹿会
●とちぎ・織姫の会
●栃木の会
●夢と希望あふれる栃木を創る会
☆中立会派:10(20%)
◆民主市民クラブ(立憲民主党など旧民主党系):6
◆県民クラブ(党派に所属しない会派):3
◆日本維新の会
☆県政野党:1(2%)
○日本共産党栃木県議団
各選挙区の現状と変更点
宇都宮市・上三川町
●現行→大選挙区制定数13(維自民民自公自自共公自自民)
●想定→4つぐらいに分割して小選挙区制にに(宇都宮選挙区・大谷選挙区・上三川選挙区・二宮選挙区など)、残りの9議席は比例に
足利市
●現行→中選挙区制定数4(自織県自)
●想定→小選挙区制、残り3議席比例
栃木市
●現行→中選挙区制定数4(県自自自)
●想定→小選挙区、残り3議席比例
佐野市
●現行→中選挙区制3(自自自)
●想定→小選挙区、比例2
鹿沼市
●現行→中選挙区制3(民自新)
●想定→小選挙区、比例2
日光市
●現行→中選挙区制2(笑自)
●想定→小選挙区・比例各1
小山市・野木町
●現行→中選挙区制5(自民公自自)
●想定→小選挙区2・比例3
真岡市
●現行→中選挙区制2(自県)
●想定→小選挙区・比例各1
大田原市
●現行→中選挙区制2(自自)
●想定→小選挙区・比例各1
矢板市、那須烏山・那珂川町、下野市、壬生町
●現行→いずれも小選挙区計4議席(え自自自)なのでそのまま
那須塩原市・那須町
●現行→中選挙区制4議席(立自自自)
●想定→小選挙区1・比例3
さくら市・塩谷郡
●現行→中選挙区制2議席(自自)
●想定→小選挙区・比例各1
芳賀郡
●現行→中選挙区制2議席(自自)
●想定→小選挙区・比例各1
比例の要素を入れるとどうなるのか?
以上小選挙区20、比例代表制30議席となった。まずは最新の選挙結果をもとにして小選挙区制の当選者を決めよう。と言っても上位当選者から適当に割り振っていっただけだが。
小選挙区の当選者
●宇都宮・上三川(自自民維)
●足利(自)
●栃木(県)
●佐野(自)
●鹿沼(民)
●日光(夢)
●小山・野木(自民)
●真岡(自)
●大田原(自)
●矢板、那須烏山・那珂川、下野、壬生
(え自自自)
●那須塩原・那須(民)
●さくら・塩谷(自)
●芳賀(自)
小選挙区20議席の当選者は
県政与党計14議席
●自民12
●えがお1
●夢1
中立会派6議席
◆民主市民クラブ4
◆県民クラブ1
◆維新1
となった。
比例代表の議席数
30議席分を2021年の衆院選の比例得票率をもとに割り振っていく。
2021年の栃木県の比例得票率はこのような感じだ。
与党
自民38.1%→11.43切り上げで12議席
公明11.7%→3.5切り上げで4議席
立民24.5%→7.35切り上げで8議席
維新10.3%→3議席(端数切り捨て)
共産4.5%→1議席(端数切り捨て)
国民4.2%→1議席(端数切り捨て)
れ新3.6%→1議席(端数切り捨て)
県政与党計16議席
●自民12
●公明4
中立計12議席
◆立民8
◆国民1
◆維新3
県政野党計2議席
○共産1
○れ新1
得票率と議席数の関係で結局自公で過半数となったが、今の状況と比べると大分拮抗している。
小選挙区議席(20)+比例議席(30)数
県政与党計30議席(60%)
●自民24
●公明4
●えがお1
●夢1
中立会派計18議席(36%)
◆民主市民クラブ(立民+国民)13
◆維新4
◆県民クラブ1
県政野党計2議席(4%)
◆共産1
◆れ新1
保守王国かつ自民党が小選挙区の当選者の6割を占めるため、議会の構図はあまり変わらなかった。しかし、県政与党以外の中立会派・野党が11議席から20議席とほぼ倍増。議会の4割を占めるまでとなった。小選挙区制による民意の歪みを意識せざるを得ない結果となった。