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視覚障害者の見る夢の一例

 私は中途障害なんで視覚情報は記憶にあるから、総天然色フルカラーで夢を見ます。視覚障害も十人十色、生まれつき全盲の人などは音だけで夢を見ると言う話を聞きます。

 今から16年前にアトピー性の炎症がきっかけで網膜剥離の再発を繰り返し、10年経たない間に両目とも弱視になった私です。右目はほとんど視野も視力もなくて、左目も上と下の視野はグレー(昼間の屋外なら乳白色)にかけていて、残る真ん中の視野も霞がかかって見えているような状態です。おまけに黄斑部変性も併発しているからやや歪んでものが見えて遠近感がありません。

でも夢は「目」を使ってみてるわけではないので、最近起こったことに由来するような内容でもクリアでカラフルな夢を見ることができます。

 夢って心象風景が強く反映されるからか、私の夢の中に出てくる大阪駅は煉瓦造りの古い建物。
なぜかそう言うイメージがあるのですよね。
現在の近代的な大阪駅も写真で見ているから知っているはずなのに。
 私の夢の中ではとにかく毎回大阪駅は赤煉瓦りで緑がかった屋根瓦の乗ったレトロな建物で、それが梅田のビル街の中にあったりする。
みている時は違和感を全く感じない。
視覚障害を得てからは現実風景よりも心象風景で夢が見ることが増えたように思います。

 それから実生活では白杖ユーザーなのでこれがないと絶対外出は無理なのですけど、夢の中では持っていないこともあります。
持ってないことに違和感がない時もあれば、それまで平気だったのに「あれ?私杖どこに置いてきたぁ!」と真っ青になって探し回る夢も見ます。
大抵そう言う時は覚醒が近い時みたいです。
その時も周りは総天然色フルカラー。でもやや霞かかってる?
みたいな感じになる時守ります。

 一時期は夢ではハッキリ見えるのに、目が覚めると全く視界が違うことにショックを受けることもありました。
けれど今は反対に「私のイメージってこうなんだなぁ」と自分自身を俯瞰する手段として楽しんでいるところもあります。
だからか、結構夢占いを検索する機会が増えました。

 視神経萎縮があるので、いつかは失明する可能性はあるのですけれども、夢の中では空を飛んだり、自転車漕いだり、走ったり、清流の中をペンギンの如く水中を飛ぶように泳ぐことは可能です。

たまにうなされるような夢も見ますが、夢の世界は本当に夢のある世界だったりします。
いつか未来にVRの技術がグッと進んで、私たちのように抹消がダメでも中枢が活動している人に使えるシステムができたらいいと思ってます。

お読みいただきありがとうございました。

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