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小説を書いたことも読んだこともない人間が、新人賞に応募するまで


皆さんはじめまして!
タイトルの通りつい最近小説を書き始めた、二時沢静音(にじさわ  しおん)と申します。

自分で言うのもなんですが、ただ投稿しただけなのに、めっっっちゃ大袈裟なことを書いています。
それでも、今回私が小説を書き上げたことは、自身の人生にとって非常に意味のあることだったと思ったので、ここで振り返りをします!

まあ、自分自身のための活動です。
さらに、作品(というか執筆への態度)に対する反省と今後の目標設定もするつもりでいます

基本的には、「応募者の中にはこんな人もいるんだ〜」くらいのテンションで読んでいただければ幸いです

以下、目次です!


1.小説を書くまでの話

1ー1.なんで小説書いたの?


まずはここからなんですが、一言で言えば「治療」です

現在私は大学院生なのですが、皆さんご存知の通り(?)大学院は生活環境が悪く、特に自分は他の院生からの誹謗中傷とかもあって心を病んでいたんですよね。それが去年の10月くらいです。
それからは、相手が院生ということもあって、大学関係者は特段の対応をしてくれなかったため、カウンセリングでガス抜きするだけの毎日でした(そもそも自分は研究がしたいだけなので、何か仕返ししてやろうとかは全く思わないですけど)

自分語りが長くなりましたが、そんな事情があって始めたのが小説執筆でした
どんな事情だよ!と思うかもしれませんが、
自分を見つめ直すと同時に
あくまで別人の物語として(自身の経験を客観的に再構成しながら)出来事を文字に起こし
③これまでの人生に対して、ケジメをつける
ためには、小説というか、物語の創作が最適だと思ったんですね

そこからは、水か上から下に流れるように、身体が動いた、という感じです

とはいえ、精神を直すためにしぶしぶ書いた訳でもないですね。執筆活動の入口は間違いなくそこなんですが、改めて振り返ると、普通に小説を書いている時間が面白かっただけな気もしてくるので不思議です

1-2.執筆スケジュール


月ごとの活動状況は、

12月:小説を書くことを決める
1~3月:初稿を書き進める
4・5月:推敲・友達に読んでもらう
6・7月:推敲
8月:応募

と進みました。小説野性時代新人賞に目標を定めたのは、今年の元旦あたりですね(友達から勧められた)

個人的には、そこそこ順調に進んだと思います。また、8月の前半にはもう完成品を提出しちゃったのですが、それは自分が沼にハマり過ぎていて学業に支障が出そうだったからですね(その時で推敲が8回目?とかだったので)
応募時期については、個人的には後悔ポイントでもありますが...

私自身の都合としては、ちょうど修論をなんとか書き上げたタイミングだったので、時間的ゆとりがあったのも執筆を後押ししました。
さらに、こんなことが許される研究室にいたのも幸運でしたね。ただ、こうやって文字にすると、大学院=モラトリアムクソ野郎みたいな印象を皆さんに与えてしまうかもしれません...
(そしてそれは半分くらい合っている)
博士入ってからはクッソ忙しいので許してください!笑

1-3.なんで小説読んでないの?


当然の疑問ですね。これは、①今までの人生において という観点にプラスして、②半年あれば、小説なんていくらでも読めるだろ! というお話もあると思います

①について先に答えると...と言いながらアレですが、特段の理由はないですね。
読書感想文を書く時に読んだ本にハマれなかったのかもしれないし、自分にとっては漫画を読むので精一杯だったのかもしれません

「王様ゲーム」とかは読んだことあるかな?というおぼろげな記憶です。世代がモロバレですが

②についてですが、正確には「読もうとしたけど読めなかった」といった感じですね。大変お恥ずかしい限りですし、どうやって研究しているんだという状況でもあるのですが、どうしても最後まで読み切る体力がなかったです。
現代の若者だな、という感じで我ながら恐ろしい気分です

おそらく、想像力がないんですね笑
論文とかは想像の余地がない表現が中心なんでサラーっと読める上、読む順番もそこまで縛られないので楽なんですけど、小説はそうでは無いということなんでしょう

ただここは、後述する自身の欠点や今後の課題にも当然深く関わっていて、自分としても、もっと小説を好きになっていきたい気持ちは強いです!

2.応募作に対する評価と反省


ここからは、自身の書いた作品に対する反省をしていこうと思います!
もちろん具体的な内容には触れませんが、色々と至らない部分がありすぎました。
あとは、実際の結果が出る前に反省作業をした方が、自分自身の純粋な評価を記録に残せる気がしたのも振り返りを行う理由です!

2-1.良かった点


良かった点についてですが、それは「ちゃんと書き上げた」ということに尽きるでしょう。その達成感は、初稿書き上げから数ヶ月経った現在でもじんわりと心に残っています

また内容も、なんとか枚数の下限に間に合わせたという感じではなく、書きたいことをそれなりに書けたと思います

さらには、「ちゃんと終わらせた」ことも個人的には評価したいです。これは「書き上げる」とは微妙に異なる意味で私は使っていて、具体的にいえば、
①伏線を張りっぱなしにしない
②背景テーマに対する到達点を示す
③登場人物の変化と、それに対応する人生上の区切りをちゃんと書く
といった、物語の畳み方ついて意識したということです

そのため、良い悪いは置いておいて、とりあえず「評価可能な物語」が書けたという自己評価をしています
他人に自身の作品を見せたフィードバックとしても、「言ってこと・やってることは分かった」と言われました!

2-2. 悪かった点


悪かった点についてですが、「小説を舐めている」という言葉にとにかく集約されると思います。とはいえ反省点は具体的に挙げられるので、列挙していきます...

①全体的に、野蛮な勇気に基づいて書かれている
まあ小説読まないので当然ですけど、どれほどの規模の物語が何文字に収まるのか、また各シーンを書くハードルの高さがどれくらいなのか、といったことが全く分かっていなかったです。
原稿用紙400枚以内の小説にしては登場人物や要素が多すぎますし、4人で会話をするシーンとかも当たり前のように出してしまったので、今後はもっと地に足が着いたお話を書かないと行けないですね

②情報の開示が遅すぎる・冒頭がカス
この点については今後改稿でなんとかなるかもしれませんが、思わせぶりな描写ばっかりが連なっていて物語への導入が全然出来てないです。また、原因もはっきりしてます。それはプロットを決めて書いていないので、物語前半で提示した設定については「後半に差し掛かったらその時考えよう」と思いながらフワッと記述してるからです。
書いている時は、「ウシシ、これは伏線になるぞ」なんて思っていましたが、こんなものは伏線ではなく、ただの作者の怠慢です。
王道展開をかなりリスペクトしてお話をまとめたので、起承転結くらいのスケールでは構成もまとまっているのですが、やっぱり美しい冒頭を書くためにはプロットが重要だと痛感しましたね...

③描写がダッメダメ
これも経験とインプットが乏しいので当然ですが、改めて振り返ると本当に文章が下手です。より正確に言えば、描写の構成が基礎から崩壊してます

例えるなら、「海外旅行が楽しかった」という話のはずなのに、「当日は何時に起きて」「この列車に乗って」...といった時系列情報が並んでいる感じです。
※初心者あるあるらしいとはどこかで読みました。

もっと独立しているシーンを一単位として物語を作らないとダメだと反省しましたね。
ただ、多分それをストレスなく読ませるためには「シーン間の繋がりの必然性」みたいなものを暗に示さないといけないんですけど、そこから全く出来ていないのですぐに直るものでもなさそうです。
また、必然性をなぜ示せてないかと言えば、各キャラクターの行動原理の掘り下げが甘いからですね。

以上の問題は、「全体的に描写の濃淡がバグってる」とも言い換えられると思います。数行で物語が展開してしまったり、読ませたい部分についてもあっさりめな記述になっていたりと、なんだか「小説のダイジェスト」のような、気持ち悪い仕上がりになってしまったと思います。

この問題については、とにかく小説を沢山読まなきゃダメですね。今の自分にとって小説を読むことは労働に近い何かになっているのですが、自身の技量を上げようと思うなら、その甘えは許されないような気がします

④主人公がキモい
改めて書くと致命傷すぎますね笑  
この問題については、他の反省点とは違って執筆当初からずっと認識していたのですが、上手く修正できませんでした。
個人的には、「自分が死にたかった気持ち」を入口に物語を書き始めたのでその難しさかなとは思いますが、結局行き当たりばったりなだけかなとも反省しています。
やはりもう少し、前半のうちから主人公の「芯」を記述する必要がありましたね。その点について工夫が足りなかったです。
あと、思い切って主人公を別の人間にするという解決策もあったと思います

これらの問題は、本来ならプロット段階で練るべきでした

⑤下準備がまるでなされていない
まあ、小説すら読まないなら、題材についての下調べも出来ないだろうと言うことなんですが、基本的にネット知識だけで物語を書いてしまったので、細部(ですらないのかもしれないけど)の書き込みが薄過ぎて終わってますね。
読者に文章を信頼してもらう為の準備が足りないというか、結局ずっと自分だけが楽をしてしまってるんだと思います。

関連する問題でいえば、視点についてもあんまり考えられてなかったです。これは文法的な問題があるということではなく、「なぜ一人称なのか?」の検討をすっ飛ばしてしまったということです
友達に「一人称で書きな」と書き出しを直されたので従っただけなんですけど、改めて考えると三人称で書けたらベストな内容だったのかなとも思いましたね(③の問題も多少改善されそうだと思ったので)

とにかく、「自分自身が物語に対して責任を取る」という気持ちが薄すぎますね。
だから肝心な所で適当こいちゃうし、話題としてはセンシティブなはずなのに、ろくな下調べもせずに小説が書けちゃうんだと思います(もちろん悪い意味で)

⑥自信のなさが物語全体から滲み出ている
一番自分が失敗だったと思うのが、物語として含めた内容について「自分から距離を取りすぎた」ことです。もちろん、自身の経験を私小説っぽく書きすぎるのは(愚痴っぽくもなっちゃうので)個人的に良くないと思っているのですが、さすがに話の筋をズラしすぎてしまったために、感動の種すら見失ってしまったように思います。
ズラすことが目的にさえ、なっていたかもしれません

これは客観性なんて高尚なものではなく、単に自分の体験を書く勇気がないだけでした。

さらにいえば、他でもない自分自身が、小説という媒体を面白いと思ってないので、自分が書く文章に対しても「こんなのつまらないだろ」って思ってしまってる気がします。

だから執筆当時の自分は、色んな設定を足し、登場人物を増やすことで、エンターテイメント性を担保しようとしていたんだと思います。
しかし結果としては、全体的に上滑りした、ノイズ情報まみれの作品が完成してしまいました。

単純な話として、自分が面白くないと思うものを他人に読ませてはいけないと思うので、
もう少しイケイケな気持ちで文章を書かないと駄目ですね。というかそれが、「面白い作品」の最低条件だと思います。

そんな、自身のカスみたいなメンタリティが存分に発揮された、甘えに満ちた小説だったなと、今の自分は投稿作品を評価します。
ただ、自信がないなら自信がつくまで努力するしかないので、やることは活動を続けることだけです!

3.今後の目標とまとめ

このままでは終われないと思うので、とにかく、時間を見つけて次回作を書きたいです。具体的に意識するポイントは

①話の動きを(今作よりは)抑制する
②描写を丁寧におこなう、また描写同士の関係性についても意識する
③下調べまで一度に改善するのは骨が折れるので、自分がよく知っているテーマでまずは書いてみる(自身の専攻を活かして)

だと思います!そのために読書も習慣化できるよう努力します

とにかく、失踪しないことが最低目標です。
査読誌を通さないといけないので、まずはそちらが先かな...笑

感想をこれ以上書いても一銭にもならないので、この辺りで記事を終わっておきます

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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