日記 2024/2/1

群馬に岩宿遺跡という遺跡がある。

日本史を勉強していた人なら知っていると思うが、この遺跡は日本の考古学上極めて重要なものであり、岩宿の発見によって我が国における旧石器時代の存在が明らかになった。

この発見がどれくらい凄かをデュエマで例えるのは少し難しい。これまで常識とされていた概念を覆したわけで、新しいマナカーブ理論とかデッキ構築理論とかを提唱し革命を起こした、みたいな話である。
もしかしたら「シールドとシールド・トリガーという概念を作り、新しいTCGとしてデザインした」という方向が一番近いだろうか。
その領域の話なのだ。

この遺跡を発見したのは、相沢忠洋という人物だった。

彼は納豆の行商人をする傍らで、独学で考古学に取り組んだという。何せ自転車で群馬-東京間を往復していたというのだから、凄まじい努力だ。

彼の功績は当初は知られなかったものの、彼の地道な努力の賜物か、彼の存命中にしっかり周知されるようになり、今日ではこのように我々の知るところにもなっている。

彼はエリートではないし、天才でもないかもしれない。
しかしエリートでなくとも天才でなくとも、日本考古学史上に唯一無二の、驚異的な業績を残している。

非常に勇気の貰える話だと思う。

最後に、私の好きな言葉を引用しておこう。

詮ずるところ学問は、ただ年月長く倦ずおこたらずして、はげみつとむるぞ肝要にて、学びやうは、いかやうにてもよかるべく、さのみかゝはるまじきこと也。いかほど学びかたよくても、怠りてつとめざれば、功はなし。又人々の才と不才とによりて、其功いたく異なれども、才不才は、生れつきたることなれば、力に及びがたし。されど大抵は、不才なる人といへども、おこたらずつとめだにすれば、それだけの功は有物也。又晩学の人も、つとめはげめば、思ひの外功をなすことあり。又暇のなき人も、思ひの外、いとま多き人よりも、功をなすもの也。されば才のともしきや、学ぶことの晩きや、暇のなきやによりて、思ひくづをれて、止ることなかれ。とてもかくても、つとめだにすれば、出来るものと心得べし。すべて思ひくずをるゝは、学問に大にきらふ事ぞかし。(本居宣長『うひ山ぶみ』)

訳:学問というのは長く継続することが肝心であり、方法などはなんでもいい。どんなに学び方が良くても怠っては意味が無い。才能の有無はあるけど、それは生まれつきなので、しょうがない。だけど大抵は才能がなくても、継続すればした分だけの結果は得られる。勉強始めるのが遅くとも、意外な実績を残すこともある。忙しい人でも、思いの外時間のある人よりも功績を残したりするものだ。だから才能の有無だとか、始めた時期だとか、時間の有無だとか、それを気にして勉強を止めてはいけない。とにもかくにも、継続すれば、出来るものだと心得るべし。学問をいやがって遠ざけてしまってはならないのだ。


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