さくらもゆ 感想

先日、久しぶりに名作(というか神作)と出会ったので布教代わりに記事でも書こうかなと思い筆を執りました。


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あまりこういう形で文章を残すことがないので不安ですが、この記事を読んで興味を持っていただけた方は手に持っていただければ幸いです。

公式HP↓
http://www.favo-soft.jp/soft/product/sakura/

さてさっそく評価に移っていきたいと思います、がその前にあらすじを。
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【あらすじ】

——これは“魔法少女”のための物語だ。

遠い昔。

幾人かの特別な女の子たち——“魔法少女”が人類の未来を救ったという。

その闘いは熾烈を極めた。

誰もが傷つき。誰もが泣いて。誰もが祈った。 ごく当たり前にすぎる“戦いの物語”がそこにはあった。

しかし……。

傷つき。泣いて。祈っても。

少女らは誰に感謝されることもなく。誰に賞賛されることもなく。 ……誰に、知られることもなく。

それでも“戦い”は、無事に終わった。 人類の未来を守るための物語”を、これ以上ないハッピーエンドに導いた。

そしてそれからおよそ十年後の現在。

……春。

さくら咲き乱れる出会いと別れのその季節。

かつて人類の未来を救った少女たちは、今はもう“魔法”を忘れ——ごくふつうの少女として生きていた。

誰もが当たり前に遭遇する、ごくごくふつうの当たり前な困難に、頭を抱え、迷い、生きる道を探してた。

そんなある日。

さくら舞い散る、春の中。

「……お願いします」

少年、奏大雅は、もうひとつの春と再び出会った——

「お願いします。どうか私を、魔法少女に戻してください」

これは“魔法少女”のための物語……。

なんかでは、ない。

これは、幸せを探し出すための物語。

これは、あなたの人生のための、物語。

さくらもゆ“夜”の中……。

もう二度と、君が悲しまなくてもいいように——

さあ、引き金を引け。

たったひとりの君を救うため。

俺は。

俺は何度だって、散りゆくのだと——……


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以下、ネタバレなしの感想です。

MAX 5段階評価です
さくらもゆ
シナリオ ☆☆☆☆☆
テキスト ☆☆☆
キャラ  ☆☆☆☆
世界観  ☆☆☆☆☆
音楽   ☆☆☆☆☆
システム ☆☆☆
演出   ☆☆☆☆☆
☆の評価基準は前作等からこのブランドに寄せられる期待を☆☆☆としたときの評価です。
他の感想を書いている方のところも回ったところ客観的評価としても恐らくそうズレてはいないだろうと思います。
念のため、前書きとして軽くブランド込みで私の心境について触れておこうと思います。

前書き
今回はフェイバリットの新作ということでかなり期待を寄せてプレイをしました。
このブランドは色とりどりの世界という作品で泣きゲーを生み出すブランドと一躍有名になったブランドです。
内容に触れてしまうので詳細は伏せますが、シナリオの筋道や伏線の貼り方がとても作りこまれていて読み進めているとクリックの指が止まらなくなります。
またシナリオだけでなく各キャラクターの作りこみも素晴らしくメインヒロインの真紅に至っては有名なところだとエロゲ攻略半の誠〇さんあたりもアイコンにしているほどの人気っぷりです。(前作のアストラエアの永遠も有名にこそなりませんでしたがとても素晴らしい作品であったためかなりブランドとして期待を寄せていました)
そんなこんなで私個人としてはかなり期待を寄せていて長らくプレイを楽しみにしていた作品でした。

さて、ネタバレをしないように気を付けつつ細かい部分について話して以降かと思います。

シナリオ ☆☆☆☆☆
素晴らしい出来であったと思います。
恐らく近年で最高峰の出来でした。(泣きげーで比較するなら無印サマポケよりも当然上)
"これは君のための物語" 
メインヒロインだけでなくサブヒロインにもきちんと焦点が与えられ丁寧に描かれていること、各キャラの信条や関係性に焦点を当て余分なテキストを十分に削っていること、どれをとっても求めていた水準を遥かに凌駕してくれていました。
伏線も投げっぱなしなだけでなく丁寧に回収してくれましたし、作者の伝えたいメッセージについても解釈の仕方も多少こそ違いこそあれど概ね誰が読んでも同じ結論に行きつくように分かりやすく描かれていてとても素晴らしい作品でした。
気になることがあるとすれば、多分ライターの方このテキストの3倍は書いて保持しているのではないかと思うのでそういった部分についてFDで補完してほしいなあ(視点切り替えで話が飛んでいる部分も多いので恐らくその部分についても丁寧に文章に仕上げていそう)とかそのくらいでした。
細かい中身に触れずにこの作品を表すのであれば、
”正に人生を描いた作品”
となるでしょうか。

テキスト ☆☆☆
読み応えのあるテキストにこれ以上ないほどに丁寧に描かれた各キャラの心情と世界観の演出、矛盾など1つも起こさない丁寧な仕上がりと解説、
誰が読んでも何を伝えたいか明白なメッセージ性、それでいて読み手に飽きさせない冗長性と波のある文章。ほめるところしかありませんでした。
ではなぜ、評価を下げているかというと、冗長性が行き過ぎている、これにつきます。
ノベルゲーという分野では、現在あまり重めの文章が求められることがなくなりつつあります、背景には社会情勢とか業界の資金繰りとか色々あるのですが今回は尺の問題で省きます。兎に角、読みごたえがありすぎるため、今のエロゲをプレイしている層が求めている軽めにプレイできかつ泣ける作品、としては少しずれているため客観的評価込みで少し得点を減らしました。
恐らく知人にそういう作品だと紹介されて始めないと中々のボリュームに積むことになるのではないかなと思います。
私個人としては、満点を上げたいところなんですけどね、小説としても売れるだろうくらいのテキストであるわけですし。

キャラ  ☆☆☆☆
こちらも素晴らしいの評価です。
それぞれに引き込まれる魅力があるのは当然であるべきとして、一人として生きていない子はおらず登場するすべてが生きて、”人として生きていました”。何を言ってるのかと思われるかもしれませんがやってください、やればわかります。
文章に直すのであれば、メインキャラだけでなくサブキャラにも焦点をあて、かつ彼らの魅力が十分に引き出される世界観と演出、音楽にテキストはどれも素晴らしくマッチしていてどのキャラも愛さずにはいられません。
少し評価を下げているのは、一部サブよりもメインヒロインが空気になっている部分があったり一人のヒロインの√に入ると他のメインヒロインはほとんど関わってきません、その辺が少し残念だなと感じました。
……、いやね、これ多分文章削られまくってるんだろうしそのせいだとはわかるんですけどね…、補完を凄く読みたい読みたいですうううう。
総評としてはよく魅力を引き出してくれてると思います、ぶっちゃけ☆☆☆☆☆を上げてもいいくらい。
ps:キャストの選び方天才

世界観  ☆☆☆☆☆
人間と夜の生き物、夜の国と魔法、それから心からの願い。
この設定で別の作品描いてシリーズものにしても間違いなく売れるってレベルに作りこまれていて一気に惹きこまれます。
別の作品ですが私の好きな言葉にこんなのがあります『優れたテキスト(設定)には無駄なものが一切ない、無駄と思われるものは全てが作者が巻いた伏線』、
読み込んでいくとすっごく丁寧に作りこまれていて感嘆の息がもれます。ネタバレ禁止なんで細かい部分については実際に読んでくださいということに。(この作品の感想欄でここのマイナス評価みたことないです)。

音楽   ☆☆☆☆☆
テキストに合わせた曲としても強いし、世界観にも合わせた最高の曲を準備してくれたと思います。私個人も思わずサントラを購入してしまいました。
どの曲ももちろん素晴らしいですが、私は”満月の夜会””はるのあしあと””終わらない物語arrange””花明かりの時arrange”などが特に好みです。
サントラも少し高いですが買って後悔はしませんでした。
仕事中のBGMとしてや勇気を出したいときに聞こうかなと考えています。

システム ☆☆☆
特に語ることはないです、いや本当にいつものフェイバリットシステム。
不満点もさほどなく、かと言ってここがよかったって部分も個人的にはありませんでした。
一般的にはバックログだとかタイムチャートが欲しかったとかあるそうですが私個人はあまりきにしないので特に不満もありませんでした。
買う層もフェイバリットでわかってたと思うので事前期待と同じくらいの評価。
他のブランドと比べていい点はmusicモードでのシャッフル機能があるのでBGMとして流して起きやすいところ、これは凄く加点してもいいかも。
でも私個人の評価には響かないのでやっぱり期待以上とはならないかな…。
まあ期待通りということで。

演出   ☆☆☆☆☆
ここも語ることがないです。
上とは違って何を語ってもネタバレになるので難しいのです。
でもこれだと流石にアレなので一言で無理やり表現します、
全√で涙腺崩壊させに来る作品なので覚悟してください。

総評:95点/100点
私が今までやってきた100本程度のエロゲノベルゲーの中で一番面白かった心に残る作品となりました。
これまで色々な作品を読みましたがこれほどまでに色々なものが注ぎ込まれて作られているのは初めて見ました。
これだけのテーマをこのㇾベルまで昇華させたライターさんにそれを支え上げこのお話を作り上げたフェイバリットの皆様には感服です。
テーマがテーマなだけに人を選ぶ話ですが、これだけ強くつよく何かを受け取れる作品ってのは今はもう見なくなってしまったので沢山の人にプレイしてほしい作品です。

最後の結びになりますが、
プレイを終えると身近な人に対して少し優しくなれる作品だと思うので興味を持っていただけた方はぜひ手に取っていただければ幸いです。

AmazonのURL
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07BKZR5J1?ie=UTF8&redirect=true

ps:指止まらなくなるし、終わった後暫く手につかなくなる方もいると思うので時間取れるときにやってみてね。


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