見出し画像

徳島は動物後進県。そして神山町も…。

私が徳島県動物愛護管理センターが神山町にあることを知ったのは、移住してから数年後のことでした。そこはとても近代的で明るく、広いドッグランもあります。動物たちとの触れ合い広場、図書室や展示室などの施設もあり、子供さんも入りやすく、近付きづらい雰囲気は一切ありません。里親探しのボランティア事業をされているIさんと同行し、奥の施設も見せて頂きました。そこでは迷い犬や捨てられてしまった猫たちが収容されています。最近ではお年寄りが飼っていたペットが、飼い主さんの死亡や入院などの事情で収容されることも多いのだそうです。彼らはとても人懐こく、まとわりつき、それが胸を締め付けられられます。

里親が見つからなかった子たちが最後に歩く廊下、そしてさらに奥の部屋にも入りました。この写真についてはかなり悩みましたが、あえて公開することにしました。

動物を飼っている人、これから飼おうとする人、すべての人が一度は見学に行くべき場所だと思います。今は自分が人間であることが恥ずかしい。

ドキュメンタリー映画「犬と猫と人間と」。
この映画の後半は徳島が舞台と言ってもいい内容です。私が以前、動物愛護管理センターを訪れた時、「人間であることが恥ずかしい」と書きましたが、監督の飯田基晴さんは映画の中で同じことを呟いています。

「人間であることが嫌になった」

現実の光景を見て、そう思わない人はほとんどいないでしょう。徳島県の殺処分の方法は非常に特殊で、動物たちが入れられた鎮静器をトラックに乗せ、焼却場に向かう途中の車内で「作業」が行なわれます。これは神山町の住人の方々が殺処分する施設を地元に建設するのを反対したためです。トラックが見覚えのある坂道を走っています。中の状態はモニター画面で確認されます。映画は彼らが死んでいく姿は写しません。カメラがゆっくり空にパンして、作業が終わったことを暗示します。

カメラが非常に厳しい部分にまで踏み込んでいたことに正直驚きましたが、映画全体は直接的な描写は避け、観客の想像に任せるように作られているので子供さんにも見せることができます。子供向きバージョンもあるらしいので、すべての動物を飼う方々に見ていただきたいです。

この手の内容で論争になるのは、犬や猫の殺処分は問題になるが、人間のために殺される家畜は命を奪っていることにおいて同じではないのか?ということ。映画の最後の方では少しだけその部分に踏み込んでいます。
さらにインタビューでは獣医さんが「人々の生活が困窮を極めはじめると、動物愛護は吹っ飛んでしまう」と喝破します。薄っぺらい愛護にも批判の目が向けられています。

直近の犬の殺処分数の状況。
徳島 418
香川 620
愛媛 511
長崎 429
全国1位から4位までのうち3県を四国が占めています。ちなみに猫は徳島282 (うち子猫172)

全体の数は減少しているものの、まだまだ徳島は動物後進県と言われても仕方のない状況です。

神山町内で保護され、愛護センターに収容された迷い犬。手掛かりが見つかり、その後飼い主が引き取りに来ました。しかし結局は「こんな事なら飼い主など見つからない方が良かった」
という悲しい結果に終わってしまいました。

この他にも、ここには書けないほどの動物虐待の酷い事例がいくらでもあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?