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J-REITは割高か?

J-REIT市場が回復してきました。株式市場がコロナ・ショック前を大幅に超えているのに対して、J–REIT市場の回復はまだ限定的です。これからしばらくJ-REIT市場は経済の回復、正常化に一喜一憂すると思いますが、利回り水準は過去と比べて割高ではないと考えます。J–REIT投資の着目点は、家賃収入の今後の期待です。

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目下のコロナ禍のもとでの家賃収入の短期的な見通しはよくありません。飲食店の閉店や都心部オフィスの一部返還などでビルの空室率もまだ上昇しています。しかしJ–REITの分配金の低下は比較的小さく収まっているようです。これは、J-REITが保有する物件のテナントに大手企業が多く、全体と比べると空室率や家賃の延滞が抑えられているためでしょう。つまり、現在のJ-REITの利回り低下の主因はREIT価格の上昇であり、分配金低下ではありません。今後年末に向けて、ワクチン接種を通じて、家賃の下落底打ち、空室率の改善が見えてくると予想します。J–REIT指数は、2019年末の水準に戻ると見ています。世界的な財政政策の拡大が景気をコロナ・ショック前より押し上げる力を持っているので、テレワークからの回帰だけでなく、オフィス需要がさらに上昇する期待も出てくるとみています。長期のREIT投資では、金利上昇は物価や家賃の上昇の期待の裏返しですので、金利上昇を気にしなくて良いと思います。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕

■KAMIYAMA Reports http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 http://www.nikkoam.com/products/column/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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