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グリーン、パレット、キメラ
最近の話。
古くからの友人の結婚式は、市内では珍しいほど周囲に木々が多い式場で行われた。あいにくの雨ではあったが、それを感じさせないほど温かい、笑顔につつまれた式だった。
ネイビーグリーンのスーツとエメラルドグリーンのドレス。落ち着いた、目に優しい色は確かにまぶしかったが、いつまでも見ていられるものだった。
家に帰るとがらんとした部屋が待ち受けていた。
寂しさを感じたのは友人たち
夜を歩くと桜の薄い色
夜一人で歩くのは実に楽しい行事である。
一人で歩けばこの身に纏わりつく煩わしさから解き放たれる。
夜はよく見えないのも良い。
見えなければ何か無いものを見るのも容易いし、聞こえない音を聞くのも簡単だ。
あるはずのない幸福な生活を見るのも、いるはずのない巨人を見るのもいい。
楽しい時間である。
夜の校庭のそばを通ると、昔見た学校とは違うものが見える。
三年も通っていた校舎は妙によそよそ
2020年のマイベスト本
個人的に2020年のマイベスト本を書いていきたいと思います。誰かのためになるかは分かりませんが、自分のためにはなると思います。稚拙な文章になると思いますが、書いていきたいと思います。
2020年に読んだ本は何冊なのか、全く覚えがありません。読み始めては止め、新しく買っては積み、の繰り返しだったような気もします。しかし、そのような取り留めのない、文字を追うだけの読書を質的に転換するような本が今