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Guiano 「死んでしまったのだろうか」(1st Album「Love & Music」セルフライナーノーツより抜粋)

【誤植のお詫び】
11月27日発売のGuiano 1st Album「Love & Music」に同梱されている全曲セルフライナーノーツで、M9「死んでしまったのだろうか」の本文がM8「無題」と同じ文章が掲載される誤りがありました。アルバム購入者の方にはご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げますと共に、ここにM9「死んでしまったのだろうか」のライナーノーツを公開いたします。

「死んでしまったのだろうか」

後悔の曲。
Guiano を代表する曲として、僕自身は少し呪いじみたものを感じているこの曲ですが、元々没になっていた作品でした。この曲を没にするなんて今も昔も信じられませんが、彼はきっとスランプだったのでしょう。許してあげます。

登場人物は「僕」と「君」。しかし、あくまで「僕」の後悔を描くこの作品では「君」はほとんど登場しません。なぜならこの「君」とは「僕」の記憶の中の存在だからなのです。ただそれは「君」が死んでしまったとかそういうのではなくて、人物として描かれていない、背景のような存在ということ。「僕」の後悔の一つとして登場します。ではなぜ「君」を人物として大切に設定しているのか。それはこの曲の全て、実はそれが「あの日君を抱きしめればよかった それに気づかなければよかった」という詞なのです。そしてその強い後悔 に、変わることのない日々、それから目を背けていた僕は過去と向き合うきっかけをもらうことになります。そうしてこの曲「死んでしまったのだろうか」が生まれました。


歌詞を説明します。
ほとんどが僕、Guiano 本人の感情で構成されているこの曲ですが、実は作品にするにあたり、たくさん仕掛けを仕込んであります。この曲を作品として制作するにあたり大切にしたこと、それは「矛盾」です。それを強く与えた設定が「僕」そのものです。「死んでしまったのだろうか」の「僕」は執拗に弱い人間に書きました。まるで本当の僕を描くように、綺麗な「僕」を作ろうという感情を持たないようにしました。そして聴いてもらう人にその「僕」を否定してもらおうと企みました。しかしこれは僕がドM だからとかじゃなくて、より曲の世界に感情移入してもらうためでした。感情移入にもいろいろな形があると思っていて、今回はそのうちの1つ、主人公の感情に憑りつくのではなく、あくまで聴いてくれた皆さんが個人として、紛れもなく自分として、「僕」を見てもらうというものでした。つまり実質的な登場人物は「僕」「君」「あなた」 となれば嬉しいなと思っています。しかし、それでもこの「僕」を否定させる理由にはなりません。僕は、この「僕」を否定してもらって、それを皆さんにも後悔して欲しいと思ったのです。そのため「生まれたときからわかっていたんだ」「僕は死んでしまったんだ」「ただ息をして待つばかりさ 泡沫にのまれ消えゆく日を」等、明確にあり得ないことを歌詞にし、これに対して「ありえないだろ」と笑ってほしかった。しかし、この「僕」も例えばあなたと同じように悩みを抱え、後悔をぶら下げ、それでも生きているのです。そんな「僕」の愚直さ、生き方、それを笑ったことを後悔してほしかった。それがこの曲の解釈の一つ、裏の部分でした。 もう一つ、表の部分。それが先ほど述べた感情移入の別パターン「僕」に直接感情移入していただくルートです。僕が目指したこの曲の在り方、それは聴き手によって伝わり方が違う、という存在でした。つまり、僕と同じように苦しんでいる人には「僕」に憑依してもらい、後悔も涙と共にさよならしたり、少しだけ背中を押せたらいいなと考えました。こうした様々な思いが混濁して「死んでしまったのだろうか」は完成しました。
いい曲ですよね、 これからもよろしくお願いします。

Guiano 1st Album「Love & Music」セルフライナーノーツより

2019年11月27日発売
Guiano 1st Album「Love & Music」

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新世代ボカロP Guianoの1st ALBUM「Love & Music」。
DISC1には「シャナ」、「死んでしまったのだろうか」、「スーパーヒーロー」、「ブラックゴールド」などの初期中期の代表曲から「波に飲まれる前に」、「ミュージック」、「凍るサマー」など今年発表した最新曲まで、5年の活動の中から代表曲を中心にセレクトし、音色・ミックスを再構築して収録。更に4曲の新曲を加えた全15曲入りとなっている。アルバムタイトル曲 M15「Love & Music」ではGuiano自身がボーカルを担当。

DISC2には、10月18日に発足されGuianoも所属するKAMITSUBAKI STUDIOのメンバーとのコラボや、活動初期の中学生時に制作した未発表曲などを収録。バーチャルシンガー花譜による「死んでしまったのだろうか (2nd Ver.)」、DUSTCELLのボーカルEMAによる「凍るサマー」、レーベルメイトであり親友のカンザキイオリとの初の共作曲「ハレルヤ」、Guianoが尊敬するYUUKI MIYAKEとのコラボ曲「S.O.S」に未発表曲2曲を収録した全6曲入り。

DISC1のマスタリングはGuianoが多大な影響を受けているEd Sheeranをはじめ、Amy Winehouse, Craig David, Disclosure, Lorde, Charli XCX, M.I.A., J Husなど世界的な作品を手掛けてきたStuart Hawkesが担当。
DISC2のマスタリングはこれまで国内の多くの有名アーティストを担当してきた阿部充泰が担当している。
2枚で全21曲を収録力した渾身の力作となっており、音楽活動をスタートさせてからこれまでの5年間を総括する集大成的作品。
ジャケットのイラストは近藤達弥、トータルデザインは吉村英仁が担当。

アルバム「Love & Music」はグッズ付きCD(スペシャルボックス)として、オンラインショップ “BOOTH”のみの限定販売。

スペシャルボックスには、CD2枚の他にGuianoが執筆した収録曲の1つ1つを語ったセルフライナーノーツ(表紙含め全40P)、ピックキーホルダー、ステッカー3枚が同梱される。

Guiano
1stアルバム「Love & Music」
価格:¥5,000(税込)
レーベル:神椿レコード

<DISC1> KTR-006
1. ブラックゴールド
2. ミュージック
3. レイニー
4. 凍るサマー
5. 凍えそうだ
6. シャナ
7. スーパーヒーロー
8. 無題
9. 死んでしまったのだろうか
10. 眠り姫
11. 魔法
12. 波に飲まれる前に
13. 地球は青い
14. たとえ地球が終わっても
15. Love & Music

<DISC2> KTR-007
1. 花譜 - 死んでしまったのだろうか (2nd Ver.)
2. EMA from DUSTCELL - 凍るサマー
3. Guiano × カンザキイオリ - ハレルヤ
4. Guiano × YUUKI MIYAKE - S.O.S
5. Guiano - 嫌
6. Guiano - The World I See

《商品内容》
■CD「Love & Music」DISC1(全15曲)
■CD「Love & Music」DISC2(全6曲)
■セルフライナーノーツ(表紙含め全40P)
■ピックキーホルダー
■ステッカーセット(3枚)


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