2020.03.23‐03.31

ああ、そういえば人生があった。

日記に書かない幸せや日記に書けない幸せがあるかもしれない。

コロナウイルスの影響で五連休だったり四連休だったりが当たり前になってきて、よし、映画を見よう、本を読もう、と心だけは明るくなっていたのだけど、どうしてだかまったくやる気が起きず、あまつさえ苦しい気持ちにさえなってしまう。それは、ぼくが形状記憶合金で、鬱病をやっていたとき、暇な時間のほとんどすべてを天井を見ることに費やしていたから、それを心身が覚えてしまっているのではないかと思う。だとしたら、そんなかなしいことはないな、と思う。トカトントンの音が体の中でいつでもなっている。かなしいことを考えないように、その日その日の感情だけで生きているけれど、こうして暇になってしまうと、そういうことばかり考えてしまう。やらなくてはいけないことを先延ばしにして、時間を腐らせてしまう。どうしてだろう、ぼくの紫陽花だけ育たなかった。咲かせるよりも、朽ちさせる才能ばかりがある。いやだ、いやだ、いやだ、と思って喚いていたら夕暮れだ。そういえば最近、夕焼けを見ていない。

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