官能か、純文か
永井亮先生のツイートで、【官能小説と純文学との差は】と論を展開されていて、なるほどと膝を打つ。
陵辱と誘惑の二大ジャンル…というのも、正直あまり意識はしていなかったし(陵辱ものは書けんなあ、との自覚はある)。一応『官能小説書いてます』と言ってはみてるものの、果たして読んだ方がどう認識するかはわからない。自分の作品は官能小説ではないのではないかと、最近ちょっと悩ましい。
つらつら考えてみると、どうやら自分は【恋愛】が書きたいらしい。とはいえ、惚れた腫れたを前面に出すつもりもなければ、濡れ場をオマケ扱いするつもりもない。動物みたいに盛って、どエロい行為に耽っても、根っこには互いに対する恋愛感情を消したくはない。
【秘密の電停 ~元カノとその娘】では、3つの恋愛を書いている(書いていた)。https://www.amazon.co.jp/dp/B0CRNRQCXP?tag=note&ref=d6k_applink_bb_dls&dplnkId=d4a989e7-a1f9-49ee-a9b6-a04860d25a09
百合子は、高校時代に壊れた光太郎との再会から、恋の再燃、そして情事。
せりなは、風俗嬢として出会った客、光太郎に恋をしてしまう。
玲子は、夫を愛しながらもセックスに応えられず思い悩む日々。
当初、玲子を途中退場させようと思っていたのは、【妻】という厳然たる存在がいるままでは、光太郎と二人の女が、肉欲に溺れきれないと思ったからだ。
すべてのキャラクターを傷つけたくないというのは、いささか虫がいい話かもしれないが、どうも自分にはそういう風なモノしか創れないようだ。だから、最終的には玲子を残し、光太郎と三人の女という図式に落ち着けた(デウス エクス マキナたる緑川涼子大活躍)。
さて、こんな作品のジャンルは果たして何だろう?
男と女の恋心や愛情を行動原理から外すことなく、肉欲描写はエロくいきたい。デキる作家さんは出来るんだろうなあ。むう。
まあ、そもそも表紙をデザインする時点で、最初から所謂【ザ・官能小説】みたいなのではなく、さわやかめの恋愛モノみたいなのにしようと決めていたしねえ。これもよくなかったのかもしれない。
恋愛モノみたいだと思って読んだ人は、セックスシーンに困惑するかもしれない。
titleの【元カノとその娘】という部分から、親子丼展開を期待した人は怒るかもしれない(笑)。
まあ、うだうだ言うてもまだたったの1作品だけ。
今の困惑なり迷いなりを、今後自分なりに消化(昇華)していかねばならんのだよな…。
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