■プロローグだけを読む⑦■ 「シンプルデザインのすすめ」高澤光彦/PEEK-A-BOO・著
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■プロローグだけを読む⑦■ 「シンプルデザインのすすめ」高澤光彦/PEEK-A-BOO・著

Prologue

これまでは技術を覚えた時代

これまで、美容界は「テクニック」の追求に明け暮れてきました。新しいカットの技術の開発は、デザインの多様化をもたらし、それがさらなる技術開発に拍車をかけ、発展の一途を遂げます。(日本のデザインの歴史は、そのままカット技術発展の歴史に他なりません)

そこで、複雑化しすぎたカットを、もう1度シンプルにしたのが前著の「シンプルカットのすすめ」です。カットのテクニックをすべて分解し、それを重要な構成要素でもう一度同じ系列でまとめました。技術を徹底的に分解して追求した結果、「前に引いて切る」「後ろに引いて切る」「床と平行に引いて切る」の3つが残り、そこに「ラウンドレイヤー」をプラスすれば、簡単な方法ですべてのヘアスタイルが切れるということがわかりました。


覚えたテクニックで何をつくるのか?

カットのテクニックはわかったが、覚えたテクニックで何をつくるのか。今はその答えが求められている時代だと思います。私たちは、日々お客さまのヘアデザインをつくっています。大人の女性が多くなってきたためか、最近のお客さまは「どんなヘアスタイルが私には似合いますか?」と尋ねてきます。美容師の頭の中にデザインの完成イメージがなければ答えられないのです。さらに、そのイメージを正確にプレゼンテーションしなければなりません。なんとなく「こんなヘアスタイルが似合うと思いますよ」では、お客さまは納得しません。「面長な顔立ちをされていますので、もし丸く見せたいのであれば長さをこれくらいにして、ボリュームのポイントをこの位置にもってくれば、丸さのある柔らかな印象になりますよ」と説明しなければお客さまから信頼されません。


大枠のデザインをつかんでから

細部のディティールを考える

ヘアスタイルのデザインを決めるときは、まずは大枠のイメージを捉え、その次に細部の印象を考えます。全体像もわからずにディティールにこだわっていたら、いったいどんなヘアスタイルが出来上がるのが、自分でもヘアスタイルのイメージがつかめないと思います。家を建てるとき、壁紙やフローリングといったディテールから決めることはしません。何人で住むとか、何階建てにするとか、大枠から考えます。

この「大枠をつかむ」ことに利用していただきたいのが「フォルムバランス(FB)」と「ウエイトポイント(WP)」です。これまで「あごのラインで切りましょう」、「このへんに重さを残して丸く見せましょう」などと、感覚的に行ってきた方法を整理し、基準に照らし合わせて大枠の全体像がイメージできるようにしました。このFBとWPの2つを使ってデザインの基礎となる部分をつくり、あとは自分の感性をそこにプラスし、さらによいものをお客さまに提供してください。

シンプルカットのすすめ」で“カットの共通言語”をつくりました。本書を“デザインの共通言語”として多くの方に利用していただければ幸いです。

                           高澤光彦

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高澤光彦

1955年新潟県生まれ。真野美容専門学校出身。ヴィダル・サスーンで活躍しロンドンから帰国した川島文夫氏に師事。1977年、PEEK-A-BOO(東京・原宿】設立に参加。川島氏とともに日本各地でデモンストレーションやライブショーを開催。2002年、執行役員副社長に就任。サロンワークを中心に、スタッフへの指導、技術セミナー、作品撮影など広範囲に活躍中。海外での技術指導、技術コンサルタントも行っている。

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美容業界誌・髪書房(『月刊BOB』&『月刊NEXT LEADER』)

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