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トウホクサンショウウオのメンタル

そもそもトウホクサンショウウオを飼育している人間は少ないですよね。まぁ俺は1年飼育しましたが、色々学んだことがあります。
俺はこの1年で2匹飼育しました。去年の春から冬辺りまでメスを飼育して、(地域保全のため逃がした)今年の1月ぐらいから性別わかんないやつを飼育しました。なんか卵も出てこないし、オスだと信じたいなぁ~
1匹目は水メインで飼育しました。

これだと全水換えでいいからメンテナンス楽なんですよ。ただし、シェルターとかがないので餌やりはめんどくさいですね。
しかし、その時のメスは産卵前でなんか腹減ってたのかもしれませんが、クモをいっぱい食べていたので、シェルターがないことによるストレスはあんまり考えられないかなと思いました。

ここで、メンタルという話になります。僕だけが思ってるかは分かりませんが、両生類における、えさやりの時、餌への食いつきを僕はメンタルだと捉えています。
シュレーゲルアオガエルのような餌を見向きもせずにどっか行くようなカエルはメンタルが弱く、イエアメガエルのようになんでも食らいつくものはメンタルが強いと言っています。(例外もあります。)
トウホクサンショウウオのメンタルはまあまあです。とりあえず1匹目は人間の指に反応するほどメンタルが強かったです。そのため、人工餌慣れも容易く、なんでこんな餌食いがいいのだろうかと思いました。
1匹目の飼育を振り返ると、アカハライモリや日本の二大シリケンイモリと混泳させていた時期があったので、もしかしたら同調圧力で食欲が上がったのかもしれませんね。

いやー、それにしてもトウホクサンショウウオが産んだ卵をアマミシリケンイモリが食べたのはびっくりしましたね。体外受精だから未受精卵なんだけどね。

あ、そういえば1匹目の餌の好みなんかを話していませんでした。1匹目は赤虫が非常に嫌いで、縁切った後の人みたいにそっぽ向いていました。しかし、陸生の餌は非常に好きで、クモ、ワラジムシ、ミルワーム、からレッドローチ、コオロギまで食べていました。そんな感じで、最高の彼女として飼育していましたが、方向性の違いで別れて、今はどこにいるのかは分かりません。

さて。ここからが本番です。トウホクサンショウウオ2匹目は繁殖期前の1月にとったこともあり、かなり不安定な飼育でした。去年トウホクサンショウウオを取った場所で2月辺りにヤマアカガエルを取ったら、死んだんです。温度か、時期か、なかなかこれという原因があんまり分からなかったので、早い時期に取るとろくな事にならないぞと、脳に刻み込んでいた傍から取れちゃった。正直かなり心配していました。貴重な在来種を自分の勝手で殺すなんて酷いことをと思いながら日々飼育しております。

とりあえず初めは水メインで飼育していました。そして、その時訳ありアカメアマガエルの土産として沢山コオロギがいたので、コオロギをばら撒きであげていました。
僕は「トウホクサンショウウオは赤虫は食べない。陸生の餌しか好まない」という固定概念にこだわっていたため、ある日2匹目がコオロギを全く食わず、なんかやべえ感じになってました。結構焦ったので、とりあえずミルワームをあげてみました。そしたら食ったのでひとまず安泰だと思っていたのですが、今度はミルワームも食わなくなったのです。あ〜やばいねーこれは前回の奴と訳が違うと感じ、色々考えてみて、「赤虫…あげてみるか」
となりました。案の定赤虫を見向きもせず。あれ?食ってる!!!うぉー!!!すげぇ!!食った!!!そうです。まさか食ったのです。
と思ったのもつかの間。今度は赤虫も食べなくなったのです。おかしいなあ。とりあえずデュビアを上げてみたら、食べました。
ここまではまだいいです。今度は2週間ぐらい餌を食わなくなりました。目の前に現れたものには全て目を瞑り、顔に当たって食べやすくなった時に顔を逸らしてクネクネと。
トウホクサンショウウオの拒食表現は動作が不規則なのもありますが、不気味なんですよね。例えるなら普段ゆっくりなオオトビサシガメが、走ると気持ち悪い感じです。(褒め言葉)
ということで、環境を変えてみようということで、陸メインの水槽に変形させました。

床材はたまたまあった砂利。あとはシェルターを置くだけ。すっごい簡単。
そうしたら。元はシェルターの上にいた2匹目が、普通にシェルターの中に入っていきました。そして、その中にミルワームを入れたら、めっちゃ食ってた。それに気づかずいっぱい入れてたので、かなり肥満になってました。あー良かった。とりあえず。

なんでいきなり食べたの?

色々考えてみた結果、ここでも「メンタル」が関係してくると感じました。水メインでは、シェルターの中に入ることがなく、特に飼育してすぐはストレスが溜まるし落ち着けないです。その分、陸だとシェルターがあり、やはり暗い場所はいいんですかね。落ち着くのでしょう。元々両生類は夜行性がほとんどなので、光に当たるものでは無いですし、そこも関係しているのでしょう。

じゃあなんで1匹目はあんなに食べたの?

これはもしかしたら取った場所によるんじゃないかなと思いました。
1匹目は比較的沼の浅い所で捕獲し、結構陸を行き来する傾向が強かったのではないかと感じます。そのおかげで、光を浴びる水メインの飼育でもメンタルをやられることなく僕に懐いたんでしょう。
あとは僕がかっこいいから惚れたんじゃない?

それに対して2匹目は底辺りで捕獲したので、元々暗いところで枯葉の下などで暮らしていたのでしょう。だから明るいところでのメンタルはとても弱く、すぐに餌を嫌になったのではないでしょうか。そして、暗いところだとバクバク餌を食う。これは取った場所に近い環境作りができたということではないでしょうか。

とまぁこのように、海外のカエルはジャップの多大な努力によって拒食の少ない素晴らしいCB個体が生まれているのです。取った時期、場所、温度などで飼育環境を決めるのはとても良いことです。その方がストレスがたまらないので。そして、それを元にどんなケージを作るかによって、その両生類、トウホクサンショウウオのメンタルは決まるのではないかとこの1年で感じました。まだまだトウホクサンショウウオ、いや、サンショウウオ自体の謎は沢山あるので、色々調べていきたいです。

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