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The Japan Times: Yoshiro Mori's image as LDP kingmaker rubs up against reality

The Japan Timesの記事に私のコメントが載りました。

エリック・ジョンストン氏の取材に対する私のコメントを日本語全文掲載します(記事のコメントはその一部分です)。

  1. なぜ森元首相は、これほど長い年月を経て尚、自民党内で影響力を持ち続けているのか?

森元首相が安倍派内で影響力を持ち続けているのは、萩生田氏、西村氏、世耕氏、加藤氏といった現在の派閥の幹部が、政策の専門性では尊敬されているが、派閥を効果的に統率するのに必要な強力な政治的リーダーシップを欠いているからである。その結果、安倍首相が暗殺された後、派閥内には混乱が生じた。その結果、森元首相の影響力が相対的に増大したのだ。

"この件に関しては、もう一つの可能性が考えられる。森元首相は政界のメンター的な存在だが、実際には彼の言葉を真に受ける人はほとんどいないようだ。この現象は小泉純一郎首相の時代から見られる。小泉首相は意思決定について森氏に意見を求めることは多かったが、森氏の提案を取り入れることはほとんどなかった。これは安倍政権でも続いた。現在の安倍派内の混乱においても、森氏の発言を派閥の幹部が、下村氏解任を正当化するために利用しただけだと言える。同世代の有力者が去った後、森氏は自由に発言できる立場にあるが、政治的影響力はそれほど大きくないようだ。"

2.今後数ヶ月の間、森氏は以前のような権力を維持し続けると思いますか、それとも安倍首相の死去により、その権力は弱まっていると思いますか?

「森氏の発言はますます無視されるようになるだろう。第一に、安倍一派自体が弱体化している。安倍派が集団指導体制をとったのは、派内に強力なリーダーが多かったからではなく、実務能力はあるがリーダーシップに欠ける政治家がいたからである。その意味で、安倍派は将来的に弱体化するか分裂する危険性がある。その結果、森首相の影響力は徐々に低下していくだろう。

森氏が権力を握っているように見えるのは、政界の "闇将軍 "としてライバルがいないからにほかならない。かつては「三角大福中」のような大物元首相や、金丸、野中、青木のような闇将軍がいた。

今、政治家OBが現在の政治家に干渉しようとすることはほとんどない。例えば、小泉元首相が表舞台に出ようとすることはほとんどない。

だから、森氏の発言が目立つだけだ。実際、森氏の影響下で重要な政策や人事が決定されたケースは確認できない。森氏の影響で首相になった人もいない。森氏が強いというのは幻想に過ぎないと思う。

3.小渕優子の起用についてはどうだろう?森氏は、青木氏、森山氏などとともに、岸田氏に彼女に大きなポストを与えるよう働きかけ、岸田氏はそれを実行した--現在我々が目にしているような彼女の過去の問題にもかかわらず。

政策に関してはその通りだ。経済政策や安全保障政策に関しては、歴代の首相が森氏の発言を無視していたことがよくわかる。

岸田は森の要求を一部受け入れた。しかし、森は小渕を幹事長に任命するよう要求した。岸田はこれを受け入れなかった。

岸田は茂木派を二分するために小渕を選挙対策委員長に任命した。これは麻生のアドバイスに基づいた岸田の戦略である。従って、森氏の影響力は小さいと思う。

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