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「競争力」とは地道なもの

上久保ゼミの別名は「競争力養成プログラム」といいます。「競争力」とは少々仰々しいわけですが、要は学生がどんな社会に行こうとも、生き生きと楽しく、自信をもってやっていける力を付けましょうということです。

「競争力」というと、なんか派手派手しいプレゼン力とか、コミュ力とか考えるかもしれませんが、僕は常々「派手さはいらない」と言ってます。例えば、口から生まれたペラペラしゃべる奴は、大体それで何とかなってしまうという癖がついていて、努力をしないことが多い。そういう人は、伸び悩むものだからです。

むしろ、「自分は口下手だから」とかいう人の方が、しっかり準備をして、「最低これだけは話そう」と大事な部分を絞って考えてくる。そういう作業を毎週していれば、必ず成長します。

「競争力」で最も大事なのは、いわゆる「基本動作」です。例えば、僕が大事にしているのは、伊藤忠に入社して、新人研修が終わって配属されたときに、部長さんに最初に言われた言葉。

「わかっていることはなにかより、わからないことがなにかをしっかり自分で把握し、報告せよ」

ということです。実際、僕も部下を持ったことがあったのですが、一番困ったのがが、部下が「大丈夫です。やってます」と笑顔で元気に答えていて、いきなりお客様から「お前のところの部下は何やってんだ」と怒られて、クレーム処理しなきゃいけなくなったときです。

部下が、なにが問題かわかっていなかったときに起こるクレームが、最も対応が困ったということです。

実際、人間が成長する時は、これもできるようになった、あれもできるようになったという時ではなく、なにができていなくて、どうすればできるようになるかを考える時です。

それは、根拠のない自信をアピールするよりも、はるかに難しいことです。

だからこそ、問題が発生した時こそ、はやく相談、報告せよと言っています。逆に、できることは、すぐに報告しないでいい。ただし、本当にそれができているのかどうかは、わかりませんよと。

「競争力」というものは、そういうおもしろくない基本動作の繰り返しで身に付くものだと思っています。



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