「こんにちは! どなたかいらっしゃいますかぁ」
戸口に下がっていた筵をめくって、医仙が声をかけた。ヨンはあたりを一回りし、もうこのまま帰りたい気持ちになりながら、つぶやいた。
「イムジャ、ここには誰もいないでしょう。竈にはクモの巣がはっているし、甕の水は腐っています」

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