すてきな山荘というならば、清い滝のふもと、青々とした屋根を葺いたこざっぱりとしたものではないか?
目の前の庵は、壊れた荷車や腐った筵、しなびた野菜が軒にぶらさがっているような、軍師の住まいにはいささかふさわしくない、しずが屋であった。

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