朱色の子守唄⑥
ミナが死んだ。
よく分からない連中に絡まれてマスクを剥ぎ取られそうになり、抵抗した途端に道路へ突き飛ばされて轢かれて呆気なく死んでしまった。ミナだけじゃない...お腹の赤ちゃんもだ。しかも警察は目下捜査中とだけ...こんな理不尽があってたまるか...たまるかよ。。ただただ呪うしか出来なかった。この世界を。
赤い血溜まり できりゃ そこは地獄かな
赤い夕陽も 浮かびゃ そこは地獄かな
人の情など ないのと同じ
この世は地獄 この世は地獄
あの子はどこさ あいつはどこさ
憑いて 泣かして 山うめろ
朱色の子守唄 子を寝かせ 赤い忌火
ああ...また頭の中に歌が聞こえる。なんだっけ...?この歌?...まあどうだって良いや...。
「赤...い........血溜...まり...ひっ。。。。なんだっけ」
僕は立ち上がって外を見るとうるさ方の奥さん連中が井戸端会議をしているのが見えた。どうせ昼間から飲んだくれの俺をバカにしてやがんだ...。
次の瞬間だった。奥さん連中が一斉に咳き込んでいるように見えた。その場に倒れ込んでいる。あれ?どうしたんだ?もしかして流行りのコロナってやつかな?怖いな...
その日の夕刻、3人の主婦が突然コロナを発症し搬送先で亡くなった。もちろん死因はコロナであったが、その全身には犬に噛まれたような噛み跡があったという。
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