大きなカン違い

今までの投稿で、何もかも上手くこなせなかった前半生をこれでもか、これでもかと書いてきました。
そして今回で10回目の投稿となりますので、今回はそんな状況でどうやって過ごしていたかを書いてみます。

私はテレビっ子でした。
分かりやすいですね、現実がつらいから、テレビの中の架空の世界に逃避する。
もちろん当時はそんな事に気づいていませんでしたが。

子どもの頃に一番好きだったテレビ番組は、「はじめ人間ギャートルズ」です。
原始時代に暮らす一家の生活を面白おかしく描いたアニメでした。

動物の皮?を腰に巻いた父ちゃん、職業は狩人?
同じく動物の皮?で一応、胸と腰を隠し、アカンボをおぶってる母ちゃん。
そしてゴリラかオランウータンみたいな、主人公のゴン。

洞穴か何かの原始的な家に住み、食事はマンモスの肉。
(自分の記憶では)直径が人間の背丈ぐらいある巨大な石の貨幣があるけど、何か買える物があるのかなぁ。

これまた、良いなぁ、あんな生活って、憧れてしまいました。
だって洞穴に住んで、毛皮を着てるのだから、掃除洗濯は無しでは?‥ちょっと臭うかも知れないが。
マンモスの肉を食べてるのなら、せいぜい茹でるぐらいで炊事も無しでは?
そして生計を立てるのも手頃なマンモスが来るのを待つしかないなら、あとは休日ってことになるのでは?

残りの時間は、朝日が上り、夕日が落ちるのを眺め、花が咲き、草が風にそよぐのを眺めて過ごす。
ええのぉ、最高じゃありませんか。

‥そんな筈はないだろうよ、いつの時代も、どこに住んでても、現実の生活はキビしいよって成長するに従って身にしみて分かってきました。
だって多くの人は、学校を出たら年をとるまで、起きてる時間の大部分を仕事につかって、生計を立ててるものね。
現代でもそうなのに、原始時代がそんなに優雅な生活だったってことはないと私は思います。

何に書いてあったか忘れたけど、狩猟だけで生活するのは無理で‥高価な獲物を狩ってオカネに換えれば可能かも知れないけど‥獲物が手に入るのは不定期なので、残りの期間はドングリや何かを拾って食いつないでいたみたいです。
‥こりゃ大変だ、ドングリを食べられるように、茹でたり灰汁を抜いたりするのは手間ひまかかりそうです。キレイな夕日を眺めてる時間なんて無いかも知れません。
ドングリが充分に集まらなかったら、マンモスを狩ってくるまで一同ひもじさに耐えていたのかも知れません。
やっぱ原始時代も、現実の生活はキビシイ。

そうやって私の原始時代への憧れは、修正されていったのですが、しかし三つ子の魂、百までで、人生の基本姿勢はこの歳になっても‥100歳じゃありませんが‥変わらないなぁと思います。
ワタシの基本姿勢‥それは、豪勢なお屋敷に住んで高級な家具に囲まれ、キレイなベベを身にまとい、その代わりに稼ぐことに起きてる時間の殆どを遣うというのでなく、洞穴に住んで毛皮を着てていいから、出来るだけ用事を何にもせずに過ごしたいなぁって。

‥学校を出ても、どうやって食べていくかが見つからず、もう泣きそうな心境だったのに、一方でこんな事を考えていたのだから、我ながら、ちょっと呆れます。

ここまでの10回で、どうやって生きていこうか、自信もなく、あてもなく、煩悶していた自分についてのお話は終わりです。
読んでいただいて、有難うございました。

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