かみむら文庫(2)『祈りの時代の終わり〜絲山秋子「末裔」より』のご案内
こんにちは。
かみむら文庫です。
暑い日々が続いていますが、
いかがお過ごしでしょうか。
ずいぶん前から少しずつ準備してきて、
やっと公演できることになりました。
小さな試みですが、ご興味ございましたらぜひご来場ください。
以下、公演のご案内です。
なお、チケット予約はかみむら文庫のメールアドレスにて受付ています。
よろしくお願いします。
※28日(土)、お席が埋まってしまいました。以降、立見でのご予約となります。料金は1,500円です。よろしくお願いします。
【公演情報】
作品:かみむら文庫(2)
『祈りの時代の終わり〜絲山秋子「末裔」より』
原作:絲山秋子『末裔』
出演:上村聡
演出:山本健介
場所:音楽と珈琲 ひかりのうま
ひかりのうまHP
https://hikarinouma.blogspot.com/?m=1
日時:
10月26日(木) 14:00
10月27日(金) 14:00
10月28日(土) 14:00
10月29日(日) 19:00
チケット:2000円
チケット予約/連絡先:
kamimurabunko@gmail.com
予告編:https://youtu.be/sDIPvGOKp7M
【「かみむら文庫」とは】
俳優の上村聡が出会った「一冊の本」を上演する文庫です。上演の仕方は様々で、また出会う本も様々。上村聡が興味を惹かれた本たちに、俳優だからこそできるアプローチで新たな命を吹き込みます。
◯上村聡Twitter @kmmr77
◯過去公演動画 https://youtu.be/ScN12LuyF-Y
【原作 絲山秋子『末裔』のあらすじ】
市役所に勤める定年間際の男、富井省三。
ある日帰宅すると、家のドアの鍵穴がなくなっていた。突然の事態に茫然としながら、鍵を握りしめたまま省三は街を彷徨う。
彷徨う省三の前に不意に現れた謎の占い師、梶木川乙治。
「富井さん、青い鳥を探してください」
乙治の言葉に導かれるように、
省三は亡き伯父の家へと向かうのだった。
【上演について】
絲山秋子さんの小説『末裔』を上演台本用に編集し、約70分の一人芝居をつくりました。
舞台装置も音響も照明も最小限に抑え、この芝居の主役である絲山秋子さんの豊かで巧みで大胆な文章を味わっていただきたいです。
会場は、大久保駅南口にある『音楽と喫茶 ひかりのうま』。このうえない空間もまた楽しんでいただけたらとおもいます。
【ごあいさつ】
むかしから中年の物語に惹かれてきたわたしがいまやしっかり中年だった。
この世に生を受けてから随分時が経ち、でもまだしばらく終わりそうな気配はない。
そんな油断した、宙ぶらりんな時代。
わたしもまたどっちつかずな状態をエンジョイしてないわけでもないが、突然なにかが終わってしまいそうでこわくなったりもする。
『末裔』との出会いは数年前に遡る。
書評家の五所純子さんがどこかで紹介していたのを目にし、気になって読んだのだった。
読者の多くが持ったであろう感想をわたしもまた持った。これはわたしのはなしだ、と。
わたしは作品のなかにわたしの分身を探す。
わたしがどういう人間であるのかを、作品を通して確認するのだ。あるいは、登場人物と重なり合いながら物語のなかに生き、そうであったかもしれない人生を擬似体験しようと試みる。
人生は一度きり。時間は割と過ぎた。身体の随所にワビサビを感じているし、もう走れないしもう跳べない。そもそもどこに向かって跳べばいいのか。
俺は。
俺は一体なにを。
雨の中、ゴミ置き場と化した裏庭に放置された息子の勉強机の上で仁王立ちする富井省三ばりにそうおもう。
富井省三の黄昏を、かみむら文庫の彷徨を見届けていただけましたら幸いです。
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