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[0007]定年が近い高校時代の同級生 ”M” の話

定年が近い高校時代の同級生 ”M” の話
私は、店内でおもちゃを作っていた。
重い音をたてて扉が開いた。
男が一人入って来る。
「よう」
「おう、久しぶり」
男は高校の時の同級生Mだった。
Mは紙袋から缶ジュースを取り出し、私に差し出した。
差し入れは「ドクターペッパー・チェリー味缶」だった。

友人Mとドクターペッパー チェリー味


「おぉドクペ!」
私は作業を止め、缶のプルトップのフタを開け一口飲んだ。
久しぶりの味がのどに染みる。
「ドクペのチェリー味は良い。昭和を思い出すなぁ」
「だろ」
Mはニヤニヤしながら言った。
私は缶を横に置いて、聞いた。
「今日はどうした?」
「俺たちも、もうすぐ定年だろ。
定年後ブラブラしててもな。
妻にも何か趣味でも見つけたらって言われてね。
何か面白そうなモノを教えてくれよ」
少し考えて、
「楽しい工作かなあ。」
「タミヤのやつか、懐かしいな。
昔作ったよ自動車のやつ。」

私と自動車


「それ、この間作ったから、別のやつな。
どうだ作るか?」
「ボケ防止とかなるか?」
私はしばらく考え
「まぁ・・・なら無いか」

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