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男と女の修羅場、遭遇した経験はありますか?見聞きされたことはありますか?



わたくしも54歳になりこのような過去の出来事をサラリと言えるようになったのです。

20代前半の頃、私が東京都、豊島区駒込で一人暮らしをしていた頃の話です。

当時、若気の至りで今は絶対に読まない太宰治という作家にハマり痛く共感して太宰の作品をすべて読んで太宰治や坂口安吾、芥川龍之介などの話を良くしていた私に友人からの紹介で中原中也にドハマリしている変態和菓子職人、康夫と付き合い始めました。

康夫は私の住んでいる場所から徒歩二分の近所に住んでいる男。

人の目を真っ直ぐに見て話をすることが出来ない康夫というその和菓子職人は交接のときに私の首を絞めたり顔中につばを吐きまくるという変態でしたが私も頭がイカれていたのでそこがいいんだと思って付き合っていました。

ある日、近所の小料理屋で彼と飲んでいたらそこに一人の男がのれんをくぐって入ってきました。

哲朗という背の高い痩せた暗い影を背負っているなにやらいわくつきなその男と康夫は友人ですぐに話しをはじめその男は私達と一緒に飲み始めました。

その時すでに私はこの男、哲朗と寝ることになるだろうと確信があったのですが。

それから数日して哲朗と駒込商店街で再会し、30分後には今では存在しない共同玄関の共同靴置き場の風呂なし四畳半の彼のアパートの一室に私はいました。

タバコをふたりとも吸いながら何も話さずじっとしていたのですが二人がタバコをもみ消したときに自然にことは始まり、終わっていました。

その数日後、私と哲朗のことを知った康夫から呼び出され、公園で変態和菓子職人、康夫と哲朗が殴り合いの大乱闘になるという事件が起き、哲朗は血まみれになり康夫の捨て台詞、

俺の視界から消え失せろ、二人共だ

といって去っていきました。

その後すぐに私と哲朗は上北沢の小さなアパートに二人で住み始めたのですが

ある日、私が

今日は実家に帰るから帰らないね

といって身支度をして家を出て夜、実家に泊まらず彼との住まいに戻ってきたら他の女がいるという現場を目撃してしまいました。

それだけでもかなりのショッキングな出来事なのに彼はその女の前で私のよこっつらを思いっきりビンタしたのです。

目からウロコ

とはこのことです。

その数日後に私は彼が仕事に行っている間にすべての荷物をまとめてその家を出ることになりました。

類は友を呼ぶ

と言いますがこれは本当にそのとおりで

当時の私は

なんて男運のない私だろうと自分の運命を呪っていたのですが

私が自分で全て引き寄せ私のレベルに釣り合う人間と関わり、私が学び取るまで何度でもそんな出来事の海の中で私はアップアップしていたのです。

人からどんな助言を受けようと右から左、自分で血を流して、同じパンチを何度も食らってそしてあれ?私のやってること変?同じループから抜けていないぞ?

と気がつくまでに何十年の時を費やしたことでしょうか。

もし生まれ変わりがあるなら

来世ではもうちょっと上手にお付き合いする男性を選んで、自分を大切にし、まともな人生を歩みたいと心から思います。

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