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映画『上飯田の話』 「上飯田の話・非公式ZINE」〜テキスト、エッセイ、評論、短歌、ショートノベルなど異色の中身について〜

4月15日からポレポレ東中野にて公開されている映画『上飯田の話』、毎回多くの方にご来場いただいき、まことにありがとうございます。また、トークゲストの方々のお話は毎回、異なる視点を与えてくださり、1日として同じ感想になることのない不思議な状態になっております。

映画『上飯田の話』の物販の一つ、「上飯田の話・非公式ZINE」(500円)は従来の映画パンフレットのような内容ではありません。この冊子は、たかはし監督には、制作に関与しておらず(なぜかそこはめちゃくちゃ徹底していた)この映画から連想されたテキスト、エッセイ、評論、短歌、ショートノベルを掲載しています。

このような編集アイデアは「なんか映画について書いてみる会」からきています。この会は、映画を語る敷居を低くすることをコンセプトの一つに、毎回テーマになったひとつの映画に対して、140文字程度の評論、エッセイ、ショートノベル、漫画を、なんか書いてみる、という会です。この冊子はその自由な感想のコンセプトを取り入れています。

https://twitter.com/nanka_kaitemiru

また、今回は東中野ポレポレの近くにあるカフェバー「なかなかの」を運営しているイトウジュンペイさんが参加する短歌やエッセイのフリーペーパー「おもいだしたらいうわ」さんにお声がけさせていただきました。

https://note.com/ykbt/m/mba99b2cb248e

宣伝の本多は東中野に住んでおり、なかなかのさんとはお客のひとりとしてはもちろん、音楽イベントや、地域の散歩イベントなどで、ご一緒させていただいていました。

今回の冊子は非常に自由で、感覚を刺激するテキストを収録することができました。「なんか書いてみる会」は、毎回映画に対する新たな視点を与えてくれます。また、はじめてご一緒した「おもいだしたらいうわ」さんの方々の、創作のなかに、映画のエッセンスを盛り込む文筆能力には、おどろきました。

イラストには映画『ふゆうするさかいめ』監督の住本さんに、作中でも印象的なシーンを描いていただきました。

生活の映画/映画と生活

Gabri田Ciou$太郎(書いてみる会)

——映画でみたものは、生活のことばに還元するように努め、またあらゆる表現の営みは、生活から生まれる。

宣伝・配給、非公式ZINE制作を行う本田が、テキストと映画の特徴を摘出しながら冊子のレイアウトを考えるプロセスなどを記したテキスト。


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三上耕作(書いてみる会)

—— この映画において、人体はたいてい座り、一軒家の中はたいていうるさい。

監督の友人である三上による評論。


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小林和貴(書いてみる会)

—— あるべきものがそこにあり、本来ないものがそこにあるとき、映画の先をどうしたって期待してしまう。

書いてみる会主催こばやしによるテキスト。
並走するテキストとして、同じく書いてみる会の森田真依。


ぜんぶのもんが、いっぺんに。

窪田悠希(月刊おもいだしたらいうわ)

—— 私なんかは重要そうなカットでたまたま映り込んでしまっている関係ない虫がしばらく画面内を飛び回っているだけでその一回性に泣きます。

月刊思いだしたらいうわメンバーの窪田さんによる、エッセイと短歌。


知る人ぞ知る馬の骨たち

高井(月刊おもいだしたらいうわ)

—— 何かを思い出す、予感する、そこで顔を上げると、ふと見えない景色に出会う。異端に足を踏み入れようとするまさにその瞬間に、未来のわたしが生きる時間とかつての誰かがいた時間が交錯している。

月刊思いだしたらいうわメンバーの高井さんによる、エッセイと評論の混じり合ったテキスト。


モノレールトリップストーリー

イトウジュンペイ(月刊思いだしたらいうわ)

—— 自分が見たとおりに、感じたとおりに、まさしくそうであるかのように町を撮りたい、みたままにその街を撮りたいと思っていても、だいたいその体験自体は映らない。映っていると思えた試しがない。

月刊思いだしたらいうわメンバーのイトウジュンペイさんによる、モノレールで郊外の周縁をまわるショートノベル。


45部納品させていただきましたところ、初日で25部ほど購入していただき、40部増刷させていただきました。さらに追加で増刷予定です。


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