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不味いパン 雑記その3

いつもお世話になってます、神春です。
拙原作「不味いパン」ですが、もう、お読みになられましたでしょーか?無料ですので、ぜひぜひ、お読みいただければと思います。

https://www.pixiv.net/artworks/93458457

さて、ありがたいことに、お読みいただいた方々から様々なご感想をいただいております。
「モヤモヤする」「じんわりした」「短編の日本映画みたい」「この出汁麦餅、食べたい」「見ている人は、ちゃんと見てる」「まどろっこしい」「落語ですね」等々。
今作は、街中にいる、すぐ横にいる人々の話で、読んだ人のそれぞれのバックボーンによって様々な意見が持てるように書いたつもりなので、未読な方はぜひお読みいただき、いろいろと感じてもらえればと思います。

自分、数年前、超絶暗黒外食巨大企業で仕事をしていたことがありまして、いや、もちろん、飲食業なんぞ、まったく分からないわけで、簡単に云うと特殊な広報関係の案件でした。
あ、そっか、その2で、ちょっと書きましたね。そう、人前だろうが電車の中だろうが、ちょっと嫌な事があると人目もはばからず号泣する女性社員がいた会社です。
で、この超絶暗黒外食巨大企業の研究専門部署に出入りしてまして、ここでは、栄養学から消毒液から米から玉ねぎ等々、とにかく、いろんな研究をしていた部署でした。
ほぼ全員が、ドクターやマスターの称号を持ってたり、実際に大学で教鞭を取ってた人など、すごい学歴経歴の人たちが日夜、味とか食材とかを研究してたんです。
暗黒企業、ヘッドハンティングしまくってたわけですね、こういう人を(私は違いますが)。
ほぼ、全研究社員の人らと話をしましたが、みな、良い人たちで、なかなか興味深い研究をしてて、聞いた話を元にコンテンツの企画を考えたりしていたのですが・・・さすが暗黒会社だけあって、やっぱりハラスメント満載
評価が得られそうな研究にコバンザメみたいに一般社員が引っ付き、他の研究の足を引っ張ったりとかが酷くて、あと、使い捨ても酷かった。8割ぐらい研究成果が出ると、その主任研究員を精神的に追い詰め辞めさせて手柄を持って行くわけです。これ、この部署の部長みずからがやるわけです。
もちろん、自分も散々な目に遭ったですよ。
金が良いので我慢したんですが、あのままでは暴れるか壊れるかまでいきました。
ある辞めた研究社員は、ここでは研究なんか出来ないし、税金対策部署だからと言ってたのが印象的でした。

おっと、話を戻して・・・
ある若いドクター社員から「食材や料理の画像を見たり言葉を聞いたりすると、脳内に記憶された味が蘇り、しかも二つ以上の味を脳内で作る(想像する)ことができる」っていう話を聞いたですよ。
どういうことかというと簡単な話で、梅干しを食べたことのある人が梅干しの写真を見て酸っぱー!と記憶された酸っぱい味が蘇り唾が出るけど、梅干しを知らない人に見せても酸っぱーとならないわけで、他にバターコーンと聞いて、脳内にバターの味とコーンの味が浮かんで、合わさるとこんな味になるだろうと予測でき、ほぼ正答な味になる、と。
で、それまで経験していない、例えば、梅干しを入れたカレーなんてのも、元の味の記憶があれば梅干しとカレーが合わさった味が想像でき、その想像した味は、ほぼほぼ正しいんだそうで。
この味の記憶ってのを利用して、様々な調味料を作ったりするんだそーです。
さて、様々な味に溢れる現代、不味いってのはクセもので、不味いものって、その人に取っては毒として認識されるんだそうで、んで、この不味いという味が記憶され、時間経過と共に他の様々な味の記憶も増えていくにつれ、なぜか、あの時の不味い味の記憶を美化しちゃう場合があり、何かの拍子で無性に食べたくなったりすることもあるそうです。まさに中毒ですな(笑
ということで、この超絶暗黒外食巨大企業に出入りしていた頃に聞いた話や実際に試食した様々な食べ物飲み物、でもって、この時に自分が考えた和風出汁の海鮮調理パンの試作ネタなどに、味を想像して不味っとなる組み合わせで激甘ハニークリームの出汁麦餅(パン)を考えた次第です。
暗黒企業でしたが、その時の経験は、ほんと、興味深く面白く、まともな会社だったら、今もいろいろと面白いコンテンツが作れて、お客さんも楽しめて、日夜、いろんな研究をしている人たちも喜んだのになぁと。
おっと、その2まで読んだ方から、長い!と注意されたので、今回は、ここで。

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