ガメラ大怪獣空中決戦(ドルビーシネマ)アンコール上映を観た感想

なんとガメラは55周年。平成ガメラの4K HDR版の発売を記念してドルビーシネマでのアンコール上映をやっています。

いわゆる平成ガメラは三部作。1995年の『ガメラ大怪獣空中決戦』から1996年『レギオン襲来』、1999年の『イリス覚醒』のことを指します。

1995年といえば阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件の年であり、私は映画館のある地域に住んでいなかったので平成ガメラはビデオ(VHS…)が初見でした。映画はテレビで観るもので、映画館に通い出したのはそれからすれば随分最近のことです。

というわけで映画館でガメラを観るのは初めての経験でした。

怪獣ものといえばゴジラとハム太郎の同時上映(マジモンの地獄でした)のあった2001年の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』を映画館に行った以降の記憶が全部飛んだのですが(アニメ…)、最近で言えば『ゴジラキングオブモンスターズ』を楽しく観たくらいでしょうか。

改めて1995年の見事な特撮、ミニチュア造形をみて(へし折れる東京タワー、石油コンビナートの見事な爆発といったら!)怪獣映画ってやっぱり大きなスクリーンで観ると何倍もの楽しみがあるんだなあって感じました。

ミニチュア造形といえばエヴァンゲリオンQと同時上映だった『巨神兵東京に現わる 劇場版』のアップになるビルの爆破も素敵でしたね。シンゴジラはほぼCGの作品に切り替わりましたが、随所にミニチュア造形への想いが感じられます(そもそもラストバトルであのテーマが流れてる時点でお察しのとおり)

よく出来たミニチュア造形とCGには共通するものがあります。それは、質量という説得力=『画面の向こうの存在しているということ』を観ている側は感じざるを得ないということです。個人的にはどこからどこまでがCGか、を考えながら観るより目に入る全部に没頭できる方がいいかな。それには相応の説得力がなければならないんです。

平成ガメラ三部作は(これやたら当時から聞く弁舌で)「子供には分からないから売れなかった」とか言われがちなんですけど、子供だましと子供むけは全然別物だし、某ニチアサ特撮が「この内容子供にわかるの?」と平成以降延々と言われながらもお子様に支持されているように、何かしら子供なりに受け取ることはあるはず。そのとっかかりになる作品を伝えていくのも、大人側の役割なんだなと最近痛感しています。

怪獣は子供だけのものではないしマニアのためだけのものではない。

おおきなものと大きなものがぶつかり合う映画は、それだけでわくわくするものだと気がついている人も多いはず。図らずもハリウッド経由でこうした流れを再確認する昨今、改めて平成ガメラが注目されますように。

およそ二〇年前に出会った平成ガメラと、令和になって改めて出会うことで、私はそう強く感じたのでした。




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