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「夜更かししてでも映画を観ろ」

昭和25年生まれの父が、当時8歳の私に言った言葉だ。
金曜ロードショーと日曜洋画劇場、たまに午後のロードショー。

金曜ロードショーと日曜洋画劇場は21時から始まり約2時間。普通の子供ならおねむの時間だ。もともと寝ることが好きではなかったら喜んで映画を観た。TVで映画がやればどんな内容でも観ていた。何度も観たことある映画でも観ていた。展開もオチもわかっている。

大人になり、父が夜更かししてでも映画を観るように言ってくれたことを感謝するようになった。

私は現代のどこからどこまで本物か全くわからないCGも大好きだ。
でも大人が見れば完全に着ぐるみ作り物のE.T.が、ギズモが、ファルコンが当時の私には本当に存在する生き物なんじゃないか?と思えた。
あの頃の最先端の恐ろしく手間がかかる技術で生きている姿を、CGと出会う前の私が存在を信じ込んで観ることに意味があった。

実写の美術技術の進化と、CGへの過渡期に、段階を踏みながら進化していく映画を自身の成長とともに観ることができた体験は非常に貴重であると感じている。

家から徒歩圏内に映画館が出来て、映画館にも頻繁に連れて行ってくれた。
ドライブインシアターにも連れて行ってくれた。

父にどんな意図があったのかはもう聞けないが、子どもの時に子どもが観るべき映画を夜更かししてでも観れたこと、あの世界を信じ込んで没頭できるときに観れたことを感謝している。

#映画にまつわる思い出

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