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実録・鉄道トラブル(その6)まだ続く車両故障(2007年8月5日の日記)

前回車両故障オンパレードを書いた後も毎日のように車両故障が発生している。
それも、ちょっと遅れる程度ではなく運休となるような故障ばかり。

昨夜は米原で13Mの後部併結車両のコンプレッサーが故障して連結できなかったし、今朝は七尾線の車両が交直セクションを通過して津幡まで入ったが、結局ABBが入らず救援を迎えた。

夏期多客期で乗務員は相当がんばっていると思うが、車両はまったく意気地無しだ。
運用車両課の車両グループも相当へこんでいるが、へこんでいても車両故障は減らないよな。

日頃の整備の品質が問われているのだが、今からがんばってもすぐには好転しない。

自分の整備した場所は絶対に故障しないレベルで送り出す気持ちを望みたい。


*解説
日記の日付が順序通りになっていないですがご了承ください。
8/1の日記で車両故障が続いていると書いた後も車両故障が続いていると言う内容です。

コンプレッサー:
交直流電車には2種類のコンプレッサーが搭載されています。
ひとつは、今回故障した一般的にコンプレッサーと言えばこれと言うモノで、直流電車や気動車にも付いています。
もう一つは、日本語で補助空気圧縮機と言うコンプレッサーで、通称ベビコンと言われるのもです。
ベビコンはおそらくベビーコンプレッサーの短縮形だと思われますが、確証はありません。
普通のコンプレッサーはブレーキやドアの開閉など車両で色んな所で使われますが、ベビコンは特定の役割しか持っていません。
ベビコンは新幹線車両や交直流の電気機関車にも付いています。
その内詳しく書こうと思います。

13Mは名古屋から5両編成で米原に到着して、米原で後に3両併結して8両で運転するのですが、3両編成のコンプレッサーが故障して圧縮空気が作れず自走できなくなりました。
併結した後だったら他のユニットのコンプレッサーがあるので何の問題も無く運転可能ですが、1ユニットでコンプレッサーが壊れるとどうしようもありません。
M車床下にあるNFBを「切」「入」してみる価値はあるのですが、線路に降りて床下の機器箱の蓋を開けなければなりません。
これは隣接線の抑止も必要になるので簡単には出来ないんです。
後で分かったんですが、結果的にそれをやってもダメな故障だったのでやらなくて良かった。

13Mは減車で5両のまま運転しました。
故障車は後で米原に留置している車両で迎えに行って連結し、米原始発のしらさぎを増結して戻しました。

*以前の車両(485系など)のコンプレッサー系のNFBはM車デッキの配電盤にあったので運転士はコンプレッサー関係が故障した時の応急処置を行っていたのですが、681系以降はNFBが床下に移設されたので運転士の応急処置から一旦除かれました。
681系登場時の売り文句に、故障処置のほとんどが運転席で可能と言うのがあって、運転士はモニター操作と運転席のスイッチ類の実で応急処置を行うコンセプトでした。
そもそも1ユニットで運転する事は考慮されていなかったのではないかと思います。
しかし、1ユニット時のコンプレッサー故障は即運転継続不可なので後から追加されたと思います。

七尾線の415系の故障は、交直セクションで直流から交流に切り替える際に、ABBが切れた状態で交直セクションを通過し、交流区間に入った時に自動投入されるべきABBが入らなかったと言う事象。
惰行で津幡まで入ったのは良かったんですが、ABBの再投入を試みても入らなかった。
結局、後続の列車と併結して金沢まで運転しました。

*交直セクションでは、交直切換スイッチを切換えるとABB(VCB)が切れます。
切れた状態でセクションに進入し、死区間を通過して架線に電気がある所にパンタグラフが差し掛かるとABB(VCB)が投入されます。
この時はスイッチを切換えてABBがしゃ断するところまでは正常だったのですが、セクション使後に架線に電気のあるところまで進んでもABBが投入されなかった故障です。
1ユニットでABB(VCB)が投入できないと運転できず運転休止となります。

車両故障をすべて無くすことはできませんが、あまりに多いと整備している人たちの仕事の品質を疑ってしまいます。
夏場暑いと機械には厳しいので故障は増えるんですが多すぎます。
ここでこれまでより入念な整備に切り替えても、全ての車両がその影響を受けるまでには時間がかかるので、効果はすぐには表れないんですよ。

と言う事で、次の日記に続きます。

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