実録・鉄道トラブル(その16)人身事故at石動駅(2008年1月17日の日記)

明けだったけど、メール見たら石動駅で人身事故の情報。
すぐに現地へ出向いた。

踏切警備の警察官に「現地連絡責任者はどこ?」と聞いたが「自分たちは知らない」との返事。
とりあえず、線路横断して駅へ。(これほどしっかり指差し確認したことはこれまで無かった。だって抑止の保証は無かったからねぇ。)

駅に行くと警察官と駅長、運転士、車掌それと富山センターのT係長がいた。
被害者はすでに搬送済みとの事。

警察は運転士と車掌から事情聴取と現場検証を行っており、自分は何もすることがなかった。
運転士のほうはT係長がいたので、とりあえず自分は車掌のフォローにまわることにしてできるだけ車掌のそばにいることにした。
車掌は列車区の新人でM車掌だったが、なかなかどうして落ち着いてしっかりやっていた。

なんだかんだで現場検証終了して、一応ブレーキ試験をして運転準備ができたがなかなか運転再開の指示までたどり着かなかった。
現地連絡責任者を引き継いだ石動駅長が力不足だった。

やはり、いくら駅構内でも地上勤務者に現地連絡責任者は荷が重いと感じた。
M車掌はちゃんと運転再開の指示は指令情報統括者ではなく輸送指令からもらうことを理解していた。

警察の退出など確認していた様子は無かったし、いったい警察官が何人いるかさえ把握していなかったと思う。
M車掌がそのままやっていたほうがはるかにスムーズに行ったのではないかな?

訓練なんて一度もしたことが無いのだろうから仕方ないが、それならそれで乗務員ともっとコミュニケーションとってやって欲しかった。

改めて乗務員のレベルの高さを実感した次第でした。


*解説

超勤にも何にもならないのですが、近く(色々条件はありますが、自分の居場所から概ね30分以内で到着できるところ)でなにがしかの事故などが発生したら、とりあえず現場に向かうのが鉄道マンのサガですね。

人身事故の対応は、人身事故対処標準と言うのがあってそれに沿って行うのですが、沿線の警察や消防にも説明してあるはずにもかかわらず、ほぼ気にしてもらえてないです。
やはり彼らにとってはそんなこと知ったことでは無いですね。
それは仕方ないと思います。

残念なのは石動駅長で、対処標準を元にした訓練など受けた事が無いのか全然出来ていませんでした。
運転再開するためには警察、消防が全員線路から出た事を確認する責任があるのですが、それをしっかり確認したことを指令に伝えられていなかったようです。

運転士と車掌はしっかり訓練が活かされていて、彼らに任せておけばほぼ問題が無かったので、私は現地に行ったものの何もせずに見守っていただけでした。

運転再開の指示をもらい、運転士、車両間で打ち合わせの上、発車するのを見送って帰ってきました。

次の出勤でM車掌の所属区に電話して、仕事ぶりを褒めてくれるよう伝えておきました。

残念ながら、この時の被害者は亡くなったそうです。

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