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あの扉の向こうに『もう知る由もない』

あの扉の向こうには

「また後でね」

そう言って手を振って別れた

メトロに続くその階段で

二人の心は離れ離れになる

どう思って手を振ったのか

今では『もう知る術もない』

ただあの頃はガムシャラに否定していた

考えも行動もその裏切りさえも

あるはずが無いと信じて

期待と妄想を勝手に膨らませ

その先を考えていた

でも現実は残酷であり素直でもあった

時間はその想い出を美化する

過去を過去として整理していく

居ない現実に別の先を与えてくれる

手を振る姿に懐かしさを感じ

引き寄せる身体は次へと取って代わる

それが望んだ結果なのかは

『もう知る由もない』

ただ自ら望んでない事実があり
甘酸っぱい結末が待っていた

ただそれだけが現実であり
甘んじて受け入れている自分がいる

あの時の後ろ姿をも今は幻にして

残り僅かを歩いてる



そんな『もう知る事のない』想いを勝手に受け入れる物語。。



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