見出し画像

あの扉の向こうに『はい落としましたよ』

あの扉の向こうには


シュタシュタと帰り道を軽快に

気分的に少し浮かれて

そんな日もあっていい。

その日に限って見かけた

誰かの忘れもの

とりあえず周りに人はいない

ただの落としものかもしれない。

それはカタチあるモノじゃなく

拾っていいのかさえわからず

しかたなく見過ごす事にした。

たまに通り掛かると

まだそこに置き去りにされている。

ある日の事、それを少し遠くから

考え観ている女性がいた

もの珍しいからみていたのか

それとも持ち主なのか

たぶん後者の方だろう。

心が泣いていたから

瞳が懐かしんでいたから

気持ちが耐えられなくて

忘れたフリして

置いて行ったんだね。

その答えを感じたから

『はい、落としましたよ』と

やっとそれを拾って渡したんだ。

自分では拾えない

だから手渡して、教えてあげる

諦めた夢をまた拾っても

いいんだよって。

また夢に向かっても

いいんだよって。



そんな、自分だけでは拾えない『はい、忘れ物ですよ』って、きっかけを作ってあげる物語。。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?