あの扉の向こうに『ゆっくりと壊れて』
あの扉の向こうには
「
夜遅く帰る
それは仕事が忙しく
ただ遅くなっただけ
だったはず。
普段は誰も居なくとも
「ただいま」と言って
玄関を上がるのが習慣。
ただその日は無言で部屋に入り
カバンを放り投げ
壁にぶつかり大きな音を立て
床に転がる。
『ゆっくりと壊れはじめた』
頭の中で何かが破裂した
それに気づかないままに
その夜は明けていく。
翌日の夜、家に着くと
クローゼットの中をひっくり返す
衝動に突き動かされ
何の意図かわからないまま
散らかる部屋に身を埋めた。
この数日、似通った衝動で
日々散乱が広がっていく部屋
光景を眺めながら
『散らかる部屋と心』が顕著になる。
このまま何処へ行きつくのか
このまま如何なっていくのか
心配は尽きないけど
心配が手遅れな高さまでに
迫り疲弊しきっている現状。
誰か「助けて」と言いたいけど
誰にも伝えられない悲鳴
もう手を上げるは難しく
差し伸べられる指先を
薄ら瞳を閉じ見つめている
」
そんな『ゆっくりと壊れている』けれど、どうすればいいのか足掻き続けている物語。。
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