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【MTGA】リミテッドBO1の土地枚数

前書き

リミテッドにおける土地枚数は17枚が基本だ。

ずいぶん昔から伝え、今も信じられている定石だが、
果たしてMTGAにおいてもその通りなのか?

というのも、MTGAのBO1には初手に補正が行われている。
簡単に言えば「一番出やすい土地枚数になりやすい」補正だ。
古くからのFEプレイヤーなら、実行命中率と言えば伝わりやすいだろう。

きっとMTGおじくらいの年代には通じるはずだ。
通じない若々しきプレイヤーであれば、大いに歓迎したい。


・・・話が逸れてしまった。

土地17枚の定石はBO1でも成り立っているのか?
今回はその疑問を解決するべく調査してみた。

計算式を書き出すにはあまりに困難なので、
作成した表だけを見せてここから語ることにする。

スクリーンショット 2021-06-27 17.21.01

BO1・40枚デッキにおける初手の土地枚数

初手結論

今回の考察を経た結論から言えば、
土地18枚を基本として考えた方が良いと考えるようになった。

ポイントは土地2枚と土地4枚の差だ。

土地2枚の確率が27.21% → 13.79% と約半分にまで減少するのに対し、
土地4枚の確率が14.40% → 27.98% と約2倍に増加する。

他の部分の増減はわずかであるので、このトレードオフを考えていく。

なお、語ることが多くなってしまったため、
今回はマナスクリューの減少についてのみ語ることとする。

理由その1 土地2枚のマナスクリュー率が大幅減

リミテッドにおいて、土地2枚で戦えるデッキは稀である。

リミテッドを数回遊んだことがあるならば、
土地2枚の初手をキープして何もできず負け、という経験があるはずだ。

何せ、採用土地が17枚のデッキで土地2枚キープをした場合、
先手の2枚のドローで無事に土地を引ける確率は71.02%
後手の3枚のドローで無事に土地を引ける確率は85.04%である。

スクリーンショット 2021-06-27 17.05.16

※ 40-7 = 33枚の残デッキ、17-2 = 15枚の残デッキ土地枚数として計算

一見すると分のいい賭けのように感じるかもしれないが、
この確率で勝てるわけではなく、単にゲームになる確率の話だ。

逆に引けなかった場合、初手+3枚見て土地が2枚だけで勝つのは難しい。

残る土地が15枚のデッキで、初手土地2枚をキープした場合、
+3枚のカードを見て土地を引ける確率は85.04%、
引けない確率で言えば 14.96% で圧倒的に不利になるのである。

さて、これを踏まえて、初手の土地枚数をもう一度確認していただきたい。

スクリーンショット 2021-06-27 17.21.01

この、土地2枚で止まってしまい圧倒的に不利となる確率を
土地を18枚採用するだけで、なんと2.00%も減らすことができる。

17枚採用デッキ初手土地2枚の確率 27.21%
18枚採用デッキ初手土地2枚の確率 13.79%

17枚→18枚で起こる確率の差    27.21% - 13.79% = 13.42%
17枚→18枚で減らせる不利の確率  13.42% × 14.96% ≒ 2.00%

圧倒的不利というのを=50%で負け、と甘く仮定しても、
敗北率が 1% も減る計算である。
(※ 圧倒的不利=50%で負けというのは、それでも尚五分という暴論である)

1%と言えどそれなりの努力が要求されるのだが、
あろうことか土地を1枚増やすだけでそれが叶ってしまうのだ。

しかも、この時点ではまだ、
「土地2枚が理由のマリガンによる影響」を考慮していない。

土地2枚となる 27.21% のうち、半数をキープできると仮定すると、
13%以上もマリガン率が減ることになる。

マリガンを考慮に入れると敗北率1%減少としていた件の価値も、
これを考えると実は半分の0.5%に落ちてしまうのだが・・・

敗北率0.5%の減少とスクリューによるマリガン率13%の減少は、
土地を18枚にするという手軽さに対してあまりに大きなリターンだろう。

残る課題 マナフラッドの影響

土地を増やしたのだから当然、マナフラッドの確率は上がってしまう。
どれだけ増えるかは最初に述べた通り、
土地4枚の確率が14.40% → 27.98% と約2倍に増加する。

スクリュー減少によるプラス ー フラッド増大によるマイナス
 = 土地18枚によって得られるリターン

このリターンがマイナスになっては本末転倒である。

よって「土地18枚を基本として考えた方が良い」という結論には、
マナフラッド増大によるマイナスの小ささを語る必要があるのだが、
それは次回に残すことにする。(資料にまとめるのが大変なのだ)

主張に都合の良い理由だけの中途半端な主張になってしまったが、
次回のマナフラッドの影響の小ささについても、
楽しみにしていただけると幸いである。


まとめ

・「土地18枚を基本として考えた方が良い」を結論として提示した
・マナスクリュー率が大幅に低減する
  → 土地18枚にすると、スクリューによる敗北率が0.5%減少する
  → 土地18枚にすると、スクリューによるマリガン率が13%減少する
・マナフラッドについては次回説明する