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【雑記】12/19 大将季・五味太郎・まどみちお

冬です。
柑橘の季節です。

おひさまが少しお休みする代わりに地上に小さな似姿を贈ってくださったのではないかというくらい、まあるいおひさまいろの実がなっている光景は心やすらぎます。

自分が育てたわけでもなく、ひとさまの努力の成果を脳天気に眺めているだけで何をいうか、といさめる声も心の中に聞こえますが、そこはさておき。

冬に豊富な柑橘類、味も見た目も旬も少しずつ違いどれも魅力的ですが、そのなかでも 味良し器量よし食べやすいの三拍子そろったものがこちら、大将季(だいまさき)です。

でこの大きさと味は関係ないらしい。

「大将季」は、品種としては不知火(しらぬい)の枝変わり。品種とか登録商標とかややこしいので、一般消費者としてはデコポン界の花形という認識でいます。

大きさはソフトボールくらい。皮が一見厚くて固そうですが、子供でも手で簡単にむけます。中の薄皮も普通の温州蜜柑と変わらないくらいで、そのまま食べても口に触りません。
香りも高く、味も甘さと酸味がほどよくて果汁もたっぷり。
とにかく美味しい!
一体どこのまわしものか、というくらい褒めあげますが、ほんとです。

デコポンなので、てっぺんにぽこりとでっぱりがあるのが特徴。
りっぱなでこのあるものを手に乗せて香りも含めて愛でていたのですが、横にしたら、五味太郎さんの名作絵本「きんぎょがにげた」みたい。

福音館書店のサイトから表紙をお借りしました

写真を撮ろうと思い、かめくんにお手伝いをお願いしました。
「お魚にみえるように持ってて」というと、「ああ、それじゃあ、魚をパクッとするワニみたいに持つよ」と手で作る影絵のワニっぽい手つきで持ってくれました。
協力の方向性が 我が子ながら少し謎。
写真の出来栄えはこんな感じ。

ぽってりとしたお魚をワニがぱくん

そのさかなを わにがのむ
かめくんも私も好きなまど・みちおさんの詩、「せんねん まんねん」風になりました。(本当はワニがのむのは、魚でなくてヘビですが)

年の瀬です。
はるなつあきふゆ
はるなつあきふゆ

良かったことも悪かったこともうれしかったこともかなしかったことも飲み込んで滔々と過ぎていく日々。

そして、デコポンきんぎょは、かめくんワニに食べられてデコだけになりました。

でこもかわいい。直径3センチほど

花が咲いて 実になって その実を食べて 生きていく
これもまた命のたゆまぬ巡り。

はるなつあきふゆ
はるなつあきふゆ

さあ、来年も、いろんな命と生きていこう

まど・みちお「せんねん まんねん」

いつかのっぽのヤシの木になるために
そのヤシのみが地べたに落ちる
その地ひびきでミミズがとびだす
そのミミズをヘビがのむ
そのヘビをワニがのむ
そのワニを川がのむ
その川の岸ののっぽのヤシの木の中を
昇っていくのは
今まで土の中でうたっていた清水
その清水は昇って昇って昇りつめて
ヤシのみの中で眠る
その眠りが夢でいっぱいになると
いつかのっぽのヤシの木になるために
そのヤシのみが地べたに落ちる
その地ひびきでミミズがとびだす
そのミミズをヘビがのむ
そのヘビをワニがのむ
そのワニを川がのむ
その川の岸に
まだ人がやって来なかったころの
はるなつあきふゆ はるなつあきふゆの
ながいみじかい せんねんまんねん

せんねん まんねん