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2020年10月号 世代交代を前向きに受け止める

春夏秋冬亀成園便りの22作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。 

【亀成園便りここから】
亀成園の鶏たちも初代が三年半となり、もうほとんど産卵しなくなった雌鶏が多くなりました。システマティックに1年交代で更新していくほどの養鶏家ではないのですが、産まない鶏をずっと飼育していくわけにもいかず、永く卵屋でいるために、今年から世代交代が現実問題になってきました。
産まなくなった鶏もおれば、産み始めた若鶏もおります。産み初めの小さな卵はひときわ張りがよく、実は亀成園の母屋(家族内です)はしばらく卵不足だったのですが、その不足を補うほどの元気をもらいました。
羽の抜け替わりもあります。抜けて地肌が見えていたのがだんだん戻ってきます。羽毛ふわふわも可愛いですが抜け替わりもまたハリネズミみたいで新発見の可愛さです。

野菜もまた季節のバトンタッチと世代交代の時期です。今年よく実ってくれた夏野菜を完熟させて、粒よりのから種取りをしています。土地で採れた作物の種を取って次年度にまくようにすると、ずっと世代をつないでいくことができます。でもこれがなかなか難しいのです。
自家採取の種は市販の種より芽が出にくかったり育ちにくかったりします。亀成園でも種取りをするものの結局種で買うことを繰り返してきました。それでも園主の粘り強さが報われたのか、だんだん土地に合ってきて強く育つようになってきました。種はほんの少しの粒粒ですが、なによりの安心の源です。
一粒の種からものすごい実りを生み出すのが米粒です。理想的な育て方をすれば一粒から2000粒のお米が育つそうですよ。亀成園での今年の米は一粒から1000粒がせいぜいでしょうが、それでも感涙に値する実りです。今年の収穫に精一杯の感謝をして、また次につなぐ営みをずっと繰り返していきたいです。
【亀成園便りここまで】
ちょうど今年もまた次のヒヨコ仕入れを考える時期になりました。
烏骨鶏は自家繁殖ですがゴトウモミジは孵卵場のお世話になっています。
園主の種コレクションもずいぶん溜まってきましたし、米も品種が増えたのを毎年ああでもないこうでもないと、楽しみながら世代交代させています。
命の大きな循環をあちこちで感じながら、亀成園の暮らしは続いています。

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