2020年5月号 芽吹きの時、再生の時
春夏秋冬亀成園便りの17作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。
【亀成園便りここから】
世界中を恐怖に陥れたCOVID-19騒動で、人々は何を失い何を得たのか、少し落ち着いて考える頃になりました。外出行動・接触行動に制限がかかるというほとんどの人にとっては初めての経験がもたらした波は、これから先も続いていきそうです。私は元々密を好まないがゆえに田舎で伸び伸び暮らしを選んでおりますが、それでも人はいつだって人と関わって生きているのだなと痛烈に感じました。人が減ると寂しいです。終息後は笑って集客して、みんなで再生したいですね。
亀成園では雌鶏の更新のために4月下旬にゴトウモミジの雛を購入しました。今回は幸いどの雛も元気に育ってくれています。大きくなってきたので前庭で散歩が楽しい時間です。
業者さんにもよりますが、雛の購入は30羽以上となかなか大掛かりなので、庭先で養鶏を始めたい方に亀成園から数羽ずつお分けするという機会もありました。飯高町でも鶏ネットワークが広がってきています。とりわけかわいい盛りのヒヨコを分けて喜ばれるのは嬉しいことです。
あちらこちらで田植えも始まり、お茶もシーズンで、畑も大忙しの芽吹きの季節なのに、知り合いに分けてもらったのがきっかけで多肉植物に関心の一部を奪われてしまっています。いつも親しんできた雑草・野草とは全く違って成長の遅い植物にやきもきしますが、成長に置いてけぼりにならない安心感はありますね。名前も難しい多肉植物なので、物知りへの道はまだまだ遠いですが、ゆっくり親しんでいきたいです。
物知り博士への道と共に目指すのは卵料理通です。せっかく素材があるのに活かしきれていないが不甲斐なく、時間を見つけてはちょっとずつレパートリーを増やそうと頑張っております。トロリ卵のホットサンドなんかも挑戦してみました。亀成園のおひさまたまごならあれこれ味付けもせずにベーコンだけでおいしくできました。
温泉卵にミモザサラダにとびきりオムレツに。卵料理は豊かです。シンプルにきれいにできたらまたご紹介しますね。5月は母の日もあり、大事なめんどりたちと一緒にお祝いしましたよ。
【亀成園便りここまで】
この回の写真がなぜか見つからず、イメージ画像がすごく間に合わせになってしまいました。
例年は忙しい5月なのに、どうにものんびり暮らしていた雰囲気が残されています。そういえばこの頃は学校も2か月休校でした。たくさんのありがたみをこれでもかと体感していた頃ですね。ヒヨコがいて微笑ましいのがどれだけ救いになったことでしょう。