つぶやきシローについて

今日は1組のお笑い芸人とその魅力について語りたい。つぶやきシローはその劣等感からくる独自のセンスで、栃木弁のあるあるネタの漫談をするピン芸人だ。
今の若い人たちにはあまり認知がないのかも知れない。「元祖一発屋」的なキャッチフレーズで、たまにネタ番組などにもちょこっと顔を出すこともある。書籍なども出版し、別方面でも活躍している。かつてボキャブラ天国が放送された時期はそれこそ大ブレイクしており、テレビに引っ張りだこだった。しかし、キャラの強さなどが原因で結構早めに飽きられてしまい、ブラウン管で見ることは極力減ってしまった。その後、たくさんのいわゆる一発屋芸人という形で消費されてしまっていく芸人さんが増えてしまったが、そのパターンのはしりみたいな存在だ。

ただ、つぶやきシローをそのようなくくりで語ってしまうのは、あまりに勿体ない。今でも芸人を続けているのは間違いなく彼には才能があるからだ。

強いキャラクターとパターン芸のため、覚えやすい反面、飽きられてしまうというのもわかる。
しかし、僕が彼の才能を改めて見直すきっかけとなったのは、90年代最後の方で開催された「ホリプロオールスターライブ」でのこと。当時人気番組だった爆笑オンエアバトルで活躍中の若手からベテランまでホリプロ所属の芸人が勢揃いするライブだった。

ここで、間違いなく一番の笑いを取っていたのは、当時のバカルディ(現在のさまぁ〜ず)であり、彼らは別格だったが、その次に大きな笑いを取っていたのがつぶやきシローだった。

いつものあるあるネタであり、「期待はずれなこと」がテーマだった。つぶやきシローのネタ基本、「〇〇時ってあるよね」とテーマを設定し、お題に沿ったネタを展開していく。

イメージ的にぶつぶつつぶやいているだけかと思いきや、思った以上にしっかり緩急はつけてるし、ネタが乗ってくる時の爆発力も大きい。

〇〇な時でネタを1つだし、「あれぐらい〇〇だね」と別の同類のネタを引っ張りだし、さらに「そんなやつは〇〇してやる」のように数珠繋ぎのように展開していく。パターンを飽きさせないため、急にパッとギャグフレーズを言ったり、わーっと喋って急にブレーキを踏んだように、終わらせたり、ある時は会話劇をし、思いっきり引き付けてからストンと落とす、落語のような落とし噺を披露するなど舌を巻くようなテクニックを披露してくることがある。
会場はドカンドカンウケていた。
あの高田文夫氏や爆笑問題もつぶやきシローを評価し、自身のライブに参加させたこともあるし、さまぁーずの番組の前説など、比較的東京勢の芸人からの評価は高いが、
いまいち大阪勢の芸人からの評価はあまり高くないように思える。

しかし、オンエアバトルなどのネタブームに乗って始まった「笑いの金メダル」という番組では、久しぶりのテレビでのネタ披露で、いきなりオンエアバトルでチャンピオンに輝いた漫才コンビをも抑えての優勝を飾り、「つぶやきシローここにあり!」と実力を見せつけた。

他にもウンナンの番組の「イロモネア」においても、ネタで三週勝ち上がり、本戦出場においても高い実力を披露した。その様子から「さすがつぶやき先生ー!」という掛け声が入っていたほどだ。

その後は本の出版や毎日更新のツィッター、たまにネタ番組に出たり、マイペースでの活動が目立つが、またつぶやきシローの真の実力を見せてほしいものだ。
彼の本当の実力はDVDの「こたつ」というライブのネタ映像が今では一番わかると思う。

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