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ゼノブレイド3 種族の謎考察と追加ストーリー予想

【注意】本Noteにはゼノブレイド3に加えて、ゼノブレイドやゼノブレイド2のネタバレが含まれています。

ノアとミオの子供の謎

ノアは6話冒頭の霧の世界の中で過去のノアとミオの間に生まれた子供(以降ノアJr.と呼称)に関する記憶を見ていました。このノアJr.は恐らく作中においてケヴェス人とアグヌス人の間に誕生したことが明確に描写されている唯一の人物でありながら、その容姿には謎が残ります。それはミオの特徴であるグーラ人的な獣耳が全く受け継がれておらず、完全にホムス、つまりは旧人類風の外見であるということです。今回は、この点に関して考察とゼノブレイド3の後日談の予想をしていきたいと思います。

説その1

ノアJr.にミオの耳が遺伝しなかった理由。まず考えられるのは、ミオはグーラ人風の外見をしているだけのブレイド由来の存在(断言はできないが)なので、子供への遺伝の仕方も人間とは違っているという説です。しかし、レックスの集合写真に写っているニアの子供(ミオであるかは置いといて)にはよく見ると獣耳がついているように見えるので、人間とブレイド(マンイーター)の間に生まれた子供にはブレイド側の外見的特徴も遺伝するものと考えられます。むしろ、横に写っているホムラ、ヒカリの子供も含め髪の色は全員ブレイド側から遺伝しているようなので、人間とブレイドの間に生まれた子にはブレイド側の特徴の方が色濃く伝えられる可能性すらあります。

丁度ニアの手元付近に獣耳らしきものを確認できる

説その2

つづいて、二つ目の説を考えてみます。その説とは、人間とブレイドの間に生まれた子には両親の特徴が受け継がれることがほとんどだが、偶然ノアJr.にはミオの特徴である耳が全く遺伝しなかったというもの。これが正解である可能性を完全に否定することはできません。しかし、単なる偶然で片づけてしまっては考察も何もできたものではない上に、ハイエンターとホムスの混血の場合は大きさに差はあれど必ず羽が生えているところを見ると、このシリーズにおいて片方の種族の特徴が子供に受け継がれないという事象が発生する確率は非常に低いと考えられるため、ここではこの説も除外します。

メリアはホムスの血がかなり濃いとされるがそれでも羽が生えている

説その3

では何故ノアJr.には耳が遺伝しなかったのか。遺伝しなかったノア×ミオと遺伝したレックス×ニアにおける一番の違いは何かを考えると、ノアはゼノブレイド1世界の人間ですが、レックスはゼノブレイド2世界の人間だという違いが挙げられます。ここから、2つの「出会うはずのなかった世界」の住人同士の血が混じり合った場合、両親の種族や外見に関わらず、旧人類風の人間が誕生するのだと仮定します。

説その3を現シティーに当てはめる

さて、この仮定が正確であるかを考えるにあたって重要になる存在がノポンを除く現シティーの住民です。彼らの祖先とされる始祖の銅像を見ると、ドイル家始祖はグーラ人のような外見、ローディス家始祖は上から見ると胸元にコアクリスタルのようなものがついている、リイド家とカシィ家は師匠の像なので始祖本人はマシーナやハイエンター、ブレイドの可能性もあるというように多様性豊かな人々だったはずです。そこから続いてきた現シティー住民には様々な種族の血脈が混在しているはずなのにノアJr.と同様に彼らはみな旧人類風の外見をしています。

ドイル家始祖
現シティー住民

この謎もケヴェスとアグヌスの血が混ざった場合は問答無用で旧人類風の外見になるという仮定に当てはめると説明がつきます。ケヴェス人だけで続いてきた系譜やアグヌス人だけで続いてきた系譜=純血ケヴェス人や純血アグヌス人のような人々が居ない限り、ですが。ケヴェスやアグヌスといった枠組みを自身のアイデンティティとして気にかけている様子の人間はシティーにはいなかったので純血が現存している可能性は低いとは思いますが、一応この点をカバーするために現シティーの創設時に暮らしていたという人々がどのような存在だったのかについて言及しておきます。

現シティー創設時の住民について

現シティーの創設時には、創設者たる始祖6人(実際は7人だが7人目の始祖が子孫を残したかは不明のため除外)が暮らしていました。また、ヴァンダム家像には「戦いの後、散り散りとなった人々を集め、シティーを再興」したとあるため、エヌによる襲撃時に各地に脱出していたかつての旧シティー住民たちも現シティー最初期の住人として帰還していた、つまり現在の現シティー住民の祖先となっていたのだと分かります。

旧シティーの住民について

では、旧シティーの住民とはどのような人々なのか。旧シティーについて作中で開示された数少ない情報の一つとしてその滅亡時の状況があります。エムに記憶を見せてもらったミオの語りでは、「(旧)シティーの人々はエヌやエム―遥か昔にウロボロスとなった物達の子孫」とされています。この情報はメビウスとなり前世の全てを鮮明に思い出すことが出来るようになったエムの記憶が元なので正確だと考えてよいでしょう。すると、現シティー設立時に集った人々は、始祖6人よりも以前にウロボロスとなっていたノア、ミオ、その他不明4人の子孫ということになります。

旧シティー住民①
旧シティー住民②

ムービーで確認できる旧シティー住民は8人ほどだけですが、それでもその全員が旧人類風の姿をしています。旧シティーに関しては情報があまりにも不足しているためこれ以上の証拠を挙げることはできませんが、恐らく全員がケヴェスとアグヌスの混血であったのではないでしょうか。前述のように、旧シティーについてはあまりにも情報が足りないので妄想するしかないですが、旧シティー住民の祖先であるノア、ミオ、その他4人はインタリンクのペア同士で子供を持ち、その子供たちが旧シティーの原型となったのではないかなと。

現シティーの住民が持つ因子

さて、旧シティーの住民が全てケヴェスアグヌスの混血であったとすれば、現シティー創設時における住民は少なくとも始祖6人を除く全員が既にケヴェスとアグヌス両方の因子を持つ存在であったということが出来ます。こうなれば、子孫全員にケヴェスとアグヌス両方の因子をいきわたらせることは容易です(純血の可能性があるのは始祖6人だけということになるから)。説その3に基づくと、ノポンを除く現シティーの住民が全員旧人類風の外見であるのは、純血である子孫やアグヌス純血である子孫は現シティーに残っていない、つまり全員がケヴェスアグヌスの混血であるからと説明できます。

シリーズの締めくくりとして

このようにノアJr.の存在から考えだした、ケヴェスとアグヌス両方の因子を持つ人間は100%旧人類風の外見になるのではないかという仮説は、現・旧シティーの種族構造にも当てはめることができます。しかし、この仮説が正しいと断定できる確固たる証拠があるわけではないので、今一つ確実性に欠ける部分があるのも確かです。しかし、現状私がこの説を推しているのは、もしもこの説が正しいのならばクラウス3部作の完結としても綺麗な形にまとまると考えているからです。最後に、その部分を絡めて追加ストーリーの予想をしたいと思います。

互いを求める2つの世界

ゼノブレイド1,2で描かれたようにクラウスの実験により2つに分かれてしまった旧世界。3の物語はその世界同士が「互いを求めてしまった」が故に始まり物語終了時には主人公たちをはじめ2つの世界の多くの人々同士も互いを求めるようになっていました。しかし、2つの世界は相反する性質を持ち合わせているため、融合した状態を維持することは不可能です。これは作品内においても、インタリンクの時間制限、アイオニオン各地で頻発する消滅現象、2つの世界の人々が離れ離れになるエンディングなどという形で示唆されてきました。

しかし、ケヴェスとアグヌスの間に生まれた子供は2つの世界の融合といえる存在であるにも関わらず消滅の運命を免れているのです。ミオがノアJr.のことを「私たちの想いの結晶」であると表現していることから、相反する性質を持つ2つの世界の中でも人々の「想い」だけは消滅せずに融合することが出来るものとして描かれていると言えます。こう考えると、エンディングで世界が分離する直前の「離れないよ いつだって私は側にいる 想いは繋がっているから」というミオのセリフも、世界が物理的に分離したとしても「想い」だけは融合し続けられるという含みを持たせた言葉に聞こえてきます。
なお、このセリフは英語版で「Our feeling… forever interlinked.」と訳されていてさらに意味深。翻訳者の遊び心というだけの可能性もありますが。

追加ストーリー予想

ではもしも追加ストーリーにおいて何らかの方法で世界を安全に融合させることに成功したらならばどのような形の世界になるのか。2つの世界は全く別の存在ということはなく、元々は1つの存在であったのだから、クラウスの実験で次元間に引き裂かれる前の地球が復活するのではないかと考えています。二度と同じ過ちを繰り返さない世界を生み出すことはゼノブレイド2のクラウスの悲願でもありました。しかし、長きにわたり希望を失っていたクラウスに残された時間は少なく、道半ばでレックス達に後を託し消滅してしまいました。

そして、ここにケヴェスとアグヌス、つまり2つの世界間の混血は旧人類風の外見であるという説が繋がってきます。本来は交わることが出来なかった2つの世界の因子が「想い」という形で交わることにより消滅の回避に成功。その「想い」の結晶である子供たちは、戦争とクラウスの実験で(ほぼ)絶滅してしまったはずの旧人類そっくりの存在です。ゼノブレイド世界の人々とゼノブレイド2世界の人々、そしてその子供たちである旧人類が、1,2,3で描かれた物語を経て今度こそ戦争による自滅を回避すべく、新たに生まれた地球で暮らしていく。クラウスの実験により世界が分裂したことで始まった物語がその世界自体とそこで暮らしていた種族の復活を持って終了するというのは3部作の締めくくりとしてふさわしいものになるのではないかというのが個人的な見解です。

この予想における問題点と補足

ドイル家始祖(ミオに似ており獣耳持ち)は「最初のシティー(旧シティー)を建設した者達の直系の子孫」とされている。これが正確な記述であるとすると、旧シティーの住民は全員ケヴェスとアグヌスの混血であり旧人類風の外見であるという部分と矛盾してしまう。
この矛盾については苦し紛れではあるが、ドイル家始祖はミオの子孫であるためミオに似ているのではなく、再生されたミオ本人であったと考えると辻褄は合う。ドイル家始祖は「エヌによって(旧)シティーが崩壊してからは行方知れずとなっていたが、後に他の始祖達と出会い、メビウスとの戦いに身を投じた」とされているため、エヌによる旧シティー滅亡=エム誕生、その後すぐエムの後悔からミオが誕生、他の始祖たちと出会ったと予測できる。外見が旧シティー設立者の一人である過去のミオに酷似していることを怪しまれ子孫であると自称した、もしくはのちの歴史家により誤認されたのだと考えられる。
そもそも6始祖周りについては、彼らが最初のウロボロスという説明自体正確ではない(旧シティーの祖先も不完全?ながらウロボロスになっている)ので現シティーで語られてる歴史の信憑性はあまり…。

・ケヴェス(ゼノブレイドの世界)とアグヌス(ゼノブレイド2の世界)の人間から旧人類が生まれてくるというのはあまりにも唐突で無理があるのではないか。
ゼノブレイド世界の住人(ホムス、ハイエンター、マシーナ)のうち、ホムス、ハイエンターは元旧人類であるザンザから発生した生命。マシーナもメイナスから発生した生命であり、更に3開始時点ではその容姿はホムスに近づいてるため混血や有機化などの変化があったと考えられる。ここから、ゼノブレイド世界の住人は旧人類の因子を持っている可能性が高い。
ゼノブレイド2世界の生命はクラウスが放出した旧世界の全生命体の情報を持ったコアクリスタルから発生し進化した存在であるため、こちらも同じく人間、ブレイドを問わず全員が旧人類の因子を持っている。
このようにケヴェス人もアグヌス人も何らかの形で旧人類の因子を持っているので、そこから旧人類が生まれてくるというのは突拍子過ぎる説とは思わない(完璧な説というわけでもないが)。

・オープニングとクレジット後の花火大会のシーンにおいて、ランツとユーニ以外は旧人類風の外見(おそらく1世界なのでホムス)なのはこの説においてどのように説明できるのか。
さっぱりわからない。ハイエンター、マシーナのモデル用意する時間が無くてシティー住民のモデルを流用したからというだけであってほしい。

問題のシーン

あとがき

上記のような疑問点も残る説なので一気に瓦解する可能性はありますが、イノが発表されDLCによる追加情報の公開が近づいてきたので、ゲーム本編の情報だけで行った考察を文章にして残しておきたく公開に踏み切りました。もし何か新しく思いついたりコメントでのご指摘があれば手を加えていこうと思います。また、イノの追加クエストや10月上旬発送のアートブックでアイオニオンの過去について新しい情報が判明した場合、それを踏まえたアップデート版や別の予想を書いてみたいと思います。それでは最後までお読みいただきありがとうございました。


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