#選択の代償 第41話

おはようございます、#選択の代償、私、亀川がお送りしております。
さて、前回は、W社のホントの狙いが見えてきます。その情報も、里中氏が教えてくれましたね。B2Bのビジネスでよく本音と建前なんてこと言いますが、ここまでの状況は明らかに、罠のような仕掛けのごとくズルズルと引き込まれていくわけです。
当事者である場合、殆どの場合が自分の視方(視座・視野・視点)で思考するのですが、それでは片手落ちになってしまう事は必至という事です。この状況においては、自分の視方で、自社の事を中心に考えてしまう訳です。それは当然ですが、落とし穴に気づかないのは、相手側は相手側の視方(視座・視野・視点)があり、業界や経験値が異なると、その接点の意味さえも気づかず、シナリオやストーリーの想定や仮説が見いだせないままでいたりします。そこが、大きなGAPとなります。
結果として、お互いが気づかない、気づかれないまま、何かが進行していきます。その結果、片方が『知らなかった、気づかなかった・・・』となり、片方は『うまくいった!・・・』

となります。その結果については、違法性が無ければ、『うまくいった』側の成果です。つまり、『勝てば官軍』なわけです。知らないまま気づかないままいた側が可哀そうとか、大変だとか、それは、言葉だけの表層的な感情論で、ビジネスにおける企業の存在は、生き残りと継続によって、利益と実績を上げれば、多少のスキャンダルや、悪い噂などは、誰も咎めないのです。
私も自分は『根っからの商売人』とは思えなくなりました。あまりにも多くの人々や、様々な状況を目の当たりにし、その場その場での選択や決断を迫られたりしましたが、正直『真の鬼』にはなれないことに気づきました。相手側の事を少しでも考えたり思いやったりすると、そのほんのわずかな小さな甘さが綻びとなり、後々の致命的な傷と後遺症をもたらします。やはり、決断の場面においては、決して情や思いやりを考えるべきではないのかもしれません。
さて、本題に戻りますが、里中氏の電話で「あちゃー、やっぱり嵌められてますね・・・」との言葉がありました。それは、いったいどういう事か?
W社の投資の方針と戦略として、当時、他のVCとは一味違ったやり方で進めていました。

W社は、ベンチャー投資における株式公開利益だけを狙う訳ではなかったのです。ベンチャー投資における打率は、3割を超えると勝ち組という、某VCもありましたが、そことは異なり、投資資金全てを利益を生む為に、株式公開だけではなく、企業そのものの売買や、無形知財における知的財産権、その他営業権など、あらゆる角度から資金を循環させ、その管理手数料と、売買仲介益をビジネス化していったわけです。
今回の場合、光物関連のベンチャー企業にターゲットを絞り、先のGWのスキャンダルで、逆に企業価値が下がった状態であれば、株式その物を買い叩けるので、これらのベンチャーに片っ端から声を掛け、買い叩けるタイミングまで、焦らして、最終的に万歳(白旗)上げたところから順次、買収していき、その後は、その内容をみて、他の企業に吸収合併や、権利譲渡売買、事業譲渡売買などを進めていくわけです。当時、光物関連ベンチャーの起業数は結構ありましたので、その取扱いにおいては、結構な金額を循環させていたのではないでしょうか。
里中氏の電話では、あのW社の企業第XX部はヤバいから、コンタクトをしないほうがいいとまで言われたのですが・・・私が交渉していた相手は、その部署そのものの担当者でした。

これには、自分もこれまで何度も固まることはありましたが、さすがに、その電話を切った後、周りの人間の声や雑音が一切、耳に入らなかったです。それは翌日まで続きましたね。
この投資マネーというお金の魔物はまさに、おどろおどろしいものです。こうなってくると、獲物としてロックオンされた状態です。投資を受けるか否か・・・
この続きは、また次回、お聞き逃しなく!

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